2012年6月8日金曜日

■日本アニメの制作を請け負う中国の「小画匠」


日本アニメの制作を請け負う中国の「小画匠」
http://j.people.com.cn/94475/7839554.html
「人民網日本語版」2012年6月7日

 日本のアニメ・漫画作品を中国人が制作する-----。このような面白い事例が、湖州マルチメディア産業園で実際に起こっている。バーチャルデザインを手がける中国の新鋭企業・艾易がこのほど、浙江省湖州市に本社を移し、浙江艾易信息(情報)科技有限公司を設立、湖州マルチメディア産業園8号館に入った。同社は、日本のアニメ・漫画作品のアウトソーシング業務に主に携わっている。日本市場で流行している携帯電話アニメは、4作品中1作品が湖州で制作されているという。湖州日報が報じた。

 400平方メートルほどの同社の作業室では、アニメ・漫画著作権保護の関係上、ガラス窓を通じてのみデザイナーの作業の様子が見学できる。デザイナーは、コンピュータの前で、マウスや手書きボードを慣れた様子で操作している。だれもが良く知っている、生き生きとした日本のアニメ・漫画キャラクターが目の前にどんどん生まれてくる。呂斌CEO(最高経営責任者)は、「ここには、約30人のアニメ・漫画デザイナーがいます。彼らの多くは、移転前の本社があった蘇州から移動してきました。ここ湖州で採用されたデザイナーも10人ほどいます。彼らは今実習中で、半年後に正式に制作に携わります」と話した。同社は、日本のアニメ・マンガ大手4社とタイアップしており、一カ月平均5、6本のアニメ・漫画作品を制作、すべて日本市場に供給している。

 日本のアニメ・漫画産業は、世界の至る所で、抜群の知名度を誇る。艾易の張偉COO(最高執行責任者)は、同社が日本のアニメ・漫画のアウトソーシング業務を請け負っている理由として、▽アニメ・漫画の制作コストが、日本では極めて高いこと▽張COO自身が日本で17年間働いた経験があり、日本文化を非常に良く理解していること---の2点を挙げた。「日本の漫画・アニメの世界での成功は、作品の背後にある思想が受入れられたことを意味している。従って、文化的な影響は極めて大きい」と張COOはコメントした。

 艾易は2005年、蘇州で日本のアニメ・漫画アウトソーシング業務をスタートさせた。専門分野は携帯電話コミックで、国内でかなりの知名度を持つ。今年、湖州国際工業設計センターが湖州マルチメディア産業園にオープンしたのをきっかけに、同社も同産業園に移転した。張COOは、「漫画のドラフトや脚本などオリジナル素材が日本側から送られてくると、艾易の翻訳担当者やアニメデザイナーが打ち合わせを行い、その後作品制作に入るというのが、我々の協力スタイルです。作品が完成すると、日本側に評定してもらい、作品数に応じて利益を得ます」と説明した。

 もちろん、日本のアニメ・漫画の「陰の立役者」となることは、初めから艾易の企業目標ではなかった。同社は2009年、携帯電話コミック用Javaシステム配信プラットフォームを自主開発し、オリジナル作品や国内外の人気漫画作品を提供することが可能となった。同システムは現在、湖州でテスト配信中という。呂CEOは「次なる目標は、海外の優れた題材をもとに、中国人自身のオリジナル作品を制作することです」と抱負を述べた。



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