2012年6月7日木曜日

■米国で寿司を食べるな! ネタは偽物だらけ、サルモネラ菌も


■米国で寿司を食べるな! ネタは偽物だらけ、サルモネラ菌も
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120603/wlf12060315000007-n1.htm
2012.6.3 15:00 岡田敏一のエンタメよもやま話]

 寿司といえば、いまや“SUSHI”として世界中にファンを増やす日本食の代表選手でしょう。欧米の主要国では高級な寿司専門店も登場。米国ロサンゼルス勤務時代は、ハリウッド・スター行きつけのおしゃれ寿司バーに良く通ったものです…。

 ところが、そんなロス、そして米国の寿司が大変なことになっているのです…。というわけで今回は、チョコレートに続く“食もエンタメ”第2弾をお届けします。


半数の店が表示と異なる魚を提供、偽物9割の場合も…


 騒動が勃発したのは4月13日です。米国食品医薬品局(FDA)が、米国の海産物輸出入業者「ムーンマリーンUSA社」(本社・カリフォルニア州クパチーノ)が販売した冷凍のキハダマグロを寿司店などで食べた116人が、サルモネラ菌による食中毒にかかったと発表したのです。

 FDAの4月18日付発表文によると、食中毒はニューヨーク州(24人)、ウィスコンシン州(12人)、メリーランド州(11人)、マサチューセッツ州(8人)など、主に東部から南部の20州で発生。116人中、12人が入院して治療を受けました。幸いなことに、死亡例はありませんでした。

 これを受け、ムーンマリーン社は冷凍キハダマグロの「中落ち」(中骨の周りに残った身の部分)2万6683キロを自主回収しました。販売先には日本や韓国、中国、シンガポールなども含まれているといいます。


 AP通信などによると、ムーンマリーン社のマグロは個人消費者向けではなく、飲食店や食料品店で販売されるマグロ加工品に使われることが多かったとのこと…。つまり寿司店などに大量に出回ったため、被害が拡大したのです。

 本当に困ったものですが、この騒動に続き、食中毒とは比較にならない許し難い事実が暴露されました。

 ロスのラジオ局KPCC(電子版)や、米3大ネットワークのひとつCBSは4月17日、2001年に設立された世界最大の海洋環境保護グループ「Oceana(オーシャナ)」(本部・米ワシントンDC)が、ロサンゼルス郡とオレンジ郡の寿司店やレストラン、食料品店など計74店が取り扱っている魚をDNA鑑定したところ、何と全体の55%が表示とは異なる別の魚だったと報じたのです。

 「オーシャナ」は昨年の5月と12月、これらの店から計119点のシーフードのサンプルを集め、調査しました。その結果、フエダイの仲間である「レッドスナッパー」として表示されていたサンプル34個に何と「レッドスナッパー」は全くなく、すべてがティラピア(カワスズメダイの仲間)かスケトウダラのどちらかでした。

 さらに寿司では、10貫中9貫がニセモノのネタを使っていたことが判明。ホワイトツナ(シロマグロ)として売られていた寿司は、9貫中8貫が米国では健康被害警告が出ているアブラソコムツでした。

 アブラソコムツは深海魚の一種で、人間の体内で消化できない油脂を多くを含むため、食べるとひどい下痢になる可能性があります。実際、日本国内では食品衛生法によって販売が禁止されています。

 このほか、カレイの仲間の大型食用魚「オヒョウ」がカレイとして売られていたり、サケでは太平洋産のいくつかが実際は大西洋産だったり、養殖ものが天然ものだったりと、でたらめな売られ方をしていることが分かりました。

 要は、少しでも利幅をアップさせるため、安い魚を高級魚と銘打って客に高額で提供していたわけです。「オーシャナ」のメンバー、ベス・ローウェルさんはCBSの取材に「消費者には驚くべき調査結果だと思います。しかし確固たる原因の特定は困難でしょう。流通業者が間違った表示の商品を各店に卸しているのですから…」と説明しました。

 報道を受け、1939年から創業している老舗の卸業者、サンタモニカシーフード社では特別調査を実施。海洋生物学者の肩書も持つ“スーパー社員”が荷主らに厳しい検査を行うなど、業界全体で信頼回復に務めようと必死になっています。

 また、州議員らの間では、大規模なレストランチェーンでは寿司ネタなどの正しい表示を義務づける法律の制定を求める動きも出始めています。

 そもそも「オーシャナ」がこうしたDNA鑑定を実施したのは、表示のずさんな寿司店などを暴くことではなく、自然保護の観点から、絶滅の危機に瀕する希少種の魚類が市場に出回っていないかを調べるのが主目的だったそうです。いつの世も、悪事は思わぬところからバレるのです…。



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