2012年7月16日月曜日

■就職ランキング上位の全日空 「秀才タイプや模範解答の学生はいらない」


就職ランキング上位の全日空 「秀才タイプや模範解答の学生はいらない」
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120710/bsg1207100501000-n1.htm
2012.7.10 05:00  


 【採用担当者のホンネ】 全日本空輸人事部人財開発チームリーダー・潮田敏明さん

 「変わった面白い人材をいろいろ採っていきたい。秀才タイプはあまりいらない」

 大学生の就職人気ランキングで、毎年上位の常連となっている全日本空輸。その将来の幹部候補生として期待する総合職事務職の採用担当者、潮田敏明・人事部人財開発チームリーダー(ANA人財大学リーダー)の言葉は意外だ。

 理由はある。国際化に格安航空会社(LCC)の台頭など、同社を取り巻く経営環境は激変している。こうした環境に対応していくには「金太郎飴(あめ)にならず、いろんな背景をもった学生を採ることで、全日空の人材の厚みにしていきたい」(潮田さん)と考えるからだ。

 求める人材像のキーワードは▽チームをまとめる魅力的な人柄▽高い目標に挑戦する姿勢-など。潮田さんは、特に総合職事務職には「面接時に、即戦力でなくてもいいが、10~20年後に伸びしろがありそうな人材がほしい」と強調する。

 同社の場合、新卒の採用試験は(1)総合職事務職(2)総合職技術職(主に整備技術)(3)特定地上職(主に一定の専門分野担当)(4)客室乗務員(主に機内業務)(5)パイロット-の5職種に分かれる。それぞれ求められる能力が違うためだ。

 このうち、総合職事務職の採用試験は、エントリーシートと面接4回を経て、採用を決定する。今年4月入社組は約30人。

 入社後はまず原則、空港や営業など現場部門に配属し、その後本社へ異動。配属先を限定せず、異動を繰り返し、同社の将来のグループ経営を担う人材を育てるコースを歩ませる。

 だが、そんな人材育成も昨年入社組から変わった。新人社員を1年目から海外派遣する異動をスタート。昨年はシンガポールに2人、今年も海外拠点に2人を派遣する予定だ。「英語ができなくてもいいが、若いうちから国際的な経験をしてほしい」(潮田さん)という狙いがあり、さらに激しさを増す国際間競争に“将来へのタネ”をまいている。

 潮田さんは採用面接で気になる点がある。「マニュアル通りなのか、面接官が喜ぶような模範解答の学生もいるが、私たちはそんな解答は求めていない。うまく話せなくていいが、貴重な学生時代にアルバイトや運動、留学など何でもいいが、『これだけはやりました』と人に自慢できる経験をしてほしい」と語る。



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