2012年7月24日火曜日

■「高卒だから」と加算金利、銀行融資の実態


「高卒だから」と加算金利、銀行融資の実態
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/24/2012072400611.html
2012/07/24 08:55 朝鮮日報

 韓国の市中銀行は昨年1年間で39兆3000億ウォン(約2兆7000億円)の金利収益を上げた。金利収益以外の利益は8兆3000億ウォン(約5600億円)のため、銀行がいかに金利収益に依存しているかが分かる。

 銀行が不当に金利を上乗せすることで、高収益を上げている実態が監査院の調べで明らかになった。少額融資だから、返済期限を延長するからといったさまざまな理由で上乗せされた金利は、3年間で20兆4000億ウォン(約1兆3800億円)に上った。負担増の内訳は企業が16兆6000億ウォン(約1兆1300億円)、家庭が3兆8000億ウォン(約2600億円)だった。

 監査院によると、市中銀行による加算金利は、金融危機以前(2003年1月-08年9月)には平均1.73%だったが、金融危機以降(08年10月-11年12月)には2.57%に達した。このほか、銀行の支店長による裁量で加算される「専決金利」でも3年間で1兆550億ウォン(約710億円)の利益を上げていた。

 しかし、そうした実態を監督すべき金融委員会と金融監督院はしかるべき役割を果たしていなかった。銀行は監査院の指摘に対し「金融危機以降、不渡りリスクが高まったことや、さまざまなリスク費用を計算に入れず、一方的に誇張して算出したものだ」と反発している。市中銀行幹部は「加算金利のうち大きな割合を占めるのはリスクプレミアム、流動性プレミアムだ。世界的な金融危機で不渡りリスクが高まったほか、長期・短期の金利差が拡大したことによるコストが反映され、加算金利が上昇したものだ」と主張した。

■学歴による差別

 監査院は銀行が金利を決定するプロセスのうち、時代にそぐわない点を指摘し、是正を要求した。監査院に摘発されたA銀行は、融資審査で学歴に最も高い配点(54点)を行う独自の信用評価モデルを使用している。修士・博士号取得者には54点満点を与える一方、高卒以下には13点しか与えない内容だ。学歴が低いと、所得水準や資産規模とは無関係で融資を断られたり、高い金利を適用されたりする。

 実際にこの銀行は、最近4年間に信用度が低いという理由で4万4368件の新規融資を拒否した。このうち、学歴を理由とする拒否が32%に当たる1万4138件、融資申込額にして1241億ウォン(約84億円)に達した。

 また、最近4年間にこの銀行は、無担保融資15万1648件の半数に近い7万3796件で、低学歴を理由に金利を上乗せしていた。この結果、融資利用者は学歴要因だけで合計17億ウォン(約1億1600万円)の利子を余計に払ったことになる。監査院は銀行の融資評価基準のうち、職業や給与の項目に学歴が間接的に反映されており、学力だけを捉えて不利益を与えるのは不当だと指摘した。

■5日間の少額延滞で金利引き上げ

 監査院は個人が少額をわずか5日間延滞しただけで、信用評価を引き下げた信用等級基準にも問題があると指摘する。軽微な延滞を理由に個人の信用等級を引き下げれば、銀行が貸出金利を引き上げる口実になるからだ。

 監査院は2010年に5日以上延滞があった信用取引1149万件を分析したところ、90日以上延滞したケースは9%だけで、76%は1カ月以内に返済していた。

 しかし、1カ月以内に延滞金を返済した顧客に対し、信用評価会社が信用等級を引き下げたため、貸出金利は最高で年率3.2%も上昇していた。監査院関係者は「うっかりミスで少額を延滞するケースが多いことを銀行が悪用しているのに、金融監督当局は傍観したままだ」と指摘した。

■死亡者にクレジットカード発行

 クレジットカード会社は、既に死亡している人の名義でカードを発行するなど、カードの乱発が問題視された。監査院によると、クレジットカード会社は00年から11年6月までに、既に死亡している1932人に対し、カードを新規発行・更新していたほか、08年以降、既に死亡している1391人に対し、カードローンを提供していた。死亡から半年が経過した人にもカードが発行されていたことが分かった。

 クレジットカード業界は「カード発行の遅れで、申請者がその間に死亡したケースが大半とみられる」と説明するが、カード乱発に端を発した03年のカード不良債権問題の教訓を忘れたのではないかとの批判は避けられない見通しだ。金融監督院の関係者は「カード会社が本人確認をしっかり行わず、無分別にカードを発行している」と指摘した。



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