【萬物相】未婚女性が増える社会 韓国
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2012/07/08 07:59 朝鮮日報
「生まれ持った運が悪くて40まで未婚だよ/こうなると知っていたなら生まれてこなければよかったのに」。朝鮮王朝時代後期の歌辞文学(長編の韻文詩による詩歌形式の一つ)の中に「老処女(オールドミスを意味する韓国語)」という歌がある。この作品の未婚女性は、没落した両班(朝鮮王朝時代の貴族階級)の家に生まれたせいで結婚相手がなかなか見つからない身の上を嘆く。両班としての体面を気にする両親は婿に対する条件が厳しく、いつの間にかお見合いの仲介者の足も遠のいて久しい状態だった。未婚のまま年を重ねた女性は「年老いた両親は私を育ててどうしようというのか/死ぬまで私を育てて食べようというのか、焼いて食べるのか」と悔しさを歌に込めた。
2000年代の韓国文学では、高学歴の未婚のキャリアウーマンを描いた小説が急増した。ペク・ヨンオクの長編『スタイル』では、未婚の女性たちが集まって愚痴をこぼし合う。「この街にはどうしてこんなに素敵な未婚女性が多いの? 素敵な未婚男性はいなくなっちゃったけど」。女性たちはきれいに着飾っているが、男性たちは「若く見える女性」より「本当に若い女性」の方を好むと知り、がっかりする。
韓国社会で女性の初婚年齢は1981年には23歳だったが、昨年29.1歳へと上昇した。中卒、高卒の女性が平均27.9歳で結婚する一方、大卒女性は29.2歳だ。結婚を望まない「非婚」女性も増加した。20-40代の女性のうち47.1%が、結婚してもしなくてもいいという。こうした女性たちは家庭と仕事を両立できるよう企業文化を変えるべきだと訴える。
統計庁が現在35-39歳の未婚女性の婚姻状態を推定したところ、72.8%が50歳になっても未婚のままでいるという結果が出た。35-39歳の未婚女性約25万4000人のうち、2035年になっても18万5000人が独身のままでいると予想される。同年代の男性が50歳まで未婚でいるケースも56.3%に達するとみられる。高学歴の未婚女性ほど低学歴の男性を選ばないため、互いにふさわしい相手を見つけられない。このままでは約20年後、未婚男性も32万3000人に達すると予想される。
問題は未婚者が増加し、少子化に拍車がかかり、経済活動人口が減少することだけではない。未婚女性が職を失えば、すぐに貧困層に転落し、老後の世話をしてくれる家族もいないため、国家が未婚女性たちの福祉を担わなければならない状況となる。独身人口が1500万人のフランスでは、3年以上同棲したカップルには事実婚を認め、普通の夫婦と同様に税金を控除し、遺産相続権や社会保障の恩恵を受けられる市民連帯協約を実施している。われわれも結婚を負担に思う世代をこのまま放置すれば、韓国版「市民連帯協約」を実施せざるを得なくなるかもしれない。結婚制度や風習、文化、全てが変化する世の中も遠くはなさそうだ。
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