2012年8月15日水曜日

■北海道で「白菜並み」地価 1平米120円で分譲


北海道で「白菜並み」地価 1平米120円で分譲
http://j.people.com.cn/94475/7902131.html
「人民網日本語版」2012年8月8日

 住宅価格の高騰が続く中国に、海外から時々伝わってくる廉価不動産に関する情報は、多くの人が注目している。日本の北海道にある小さな町・由仁町で、白菜並みの価格で土地が売り出されているというニュースは、高値でとうてい手が出ないマイホームにため息をつくだけの中国人にとって、うらやましいことこの上ない出来事だ。中広網が報じた。

 北海道札幌市から車で小一時間ほど走ったところにある由仁町は、町役場の公式ウェブサイト上に土地分譲に関する公告を掲載した。これによると、公共住宅を建設する予定だった土地の一角が8区画に分けて売り出される。1区画の面積は330平方メートル、売価は1平方メートルあたり120円(約10元)。公告によると、今年が開町120年にあたるため、1平米120円という破格の価格で売り出したという。町役場の担当者によると、土地購入の申し込みは8月末に締め切られ、9月に抽選が行われるという。

 由仁町の「白菜並みの地価」に関するニュースは、多くの人の注目を集めた。ロイター通信の報道によると、現地の1平米あたり評価額は約7千円、今回の販売価格120円は、この評価額のわずか2%という。つまり、一区画を購入するには、元来約230万円かかるが、今回は4万円で買うことができる。

 330平米の土地価格がわずか4万円。地価が高い日本では、まるでタダ同然の値段だ。首都・東京の平均地価は1平米あたり30万9千円。東京で最もにぎわう銀座の商業一等地なら、1平米2150万円する。

 由仁町の土地売り出しに対して、購入に関する問い合わせがネット上に殺到した。しかし、残念なことに、同町は、購入申込を希望する人に厳しい条件を設けている。具体的には、▽年齢20歳から60歳までの、由仁町の町民ではない日本人または日本に永住権を持つ外国人▽保証金60万円を由仁町に支払う▽土地購入後3年以内に住宅の建設を完了し、居住する---など。

 由任町が「白菜並みの地価」で住宅地を販売したいきさつについて、町役場担当者は「最近10年以上、町の人口は減少の一途をたどっている。現在の総人口はわずか5900人、年100人のペースで減り続けている」と説明。また、高齢化問題も深刻化しているという。このため、町役場は町外からの転入者を増やすことで、人口減少を食い止め、町に活気を取り戻すための戦略を練った。

 とは言うものの、由仁町の政策は、世間の興味を引く目的のパフォーマンスに過ぎないという感は否めない。今回売り出されたのはわずか8区画、たとえ町外からの転入者を惹きつけても、これではまるで「焼け石に水」の状態だ。今回の売り出しは、町の人気を高めて企業誘致・資金導入を狙うという裏の事情からのものだと外部では認識されている。

 さらにふに落ちないのは、このような低価格なのに、由仁町が売り惜しみしないばかりか、むしろ心底売り出したそうにしていることだ。公告では、有名な芳草園や温泉、観光地など現地の魅力を最大限アピールしているが、土地購入の申込件数は7月17日の時点でわずか約200件。これは、殺到するとの想像とはほど遠い数字だ。

 関係者は「申し込みが伸び悩んでいるのは、冬の寒さと地理的な不便さによると見られるが、最大の原因は、住宅購入後に払わなければならない高い税金だろう。これは、誰もが負担可能という訳にはいかない」と指摘。このほか、昨年の東日本大震災後、多くの不動産投資家が日本の不動産に対して「模様眺め」の態度を保っており、市況が低迷していることから、たとえ破格の価格であっても、投資家からの支持が得られにくいとの見方もある。

 1990年代、日本は深刻な不動産バブル崩壊という危機を経験した。20年経った今でもなお、日本の不動産業は完全に回復を遂げた訳ではない。由仁町の「白菜並みの地価」での土地分譲は、不動産バブル崩壊後の消費者心理について、人々が再考するきっかけとなった。



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