2012年8月15日水曜日

■日本家電メーカー、中国でテレビ製品を大幅値下げ


日本家電メーカー、中国でテレビ製品を大幅値下げ
http://j.people.com.cn/94476/7902182.html
「人民網日本語版」2012年8月8日

 ブランドイメージへの影響を恐れ、日本の高級家電ブランドは密かに値下げを行っている。本紙記者が5日家電売場を取材したところ、ソニーは静かに価格戦を開始していた。販売エリアにパネルを設けたり、製品に値下げの札を貼る通常の方法と異なり、ソニーの価格戦は控えめで目立たない。販売員はソニーの売り場に足を踏み入れた顧客に対してのみ、「ソニーのテレビ購入、予約金の倍額返還」という宣伝チラシを配布している。商報が伝えた。

 宣伝は目立たないが、その還元額は魅力的だ。ソニーは32-65インチの一部商品を対象に販促を実施しており、「500元の予約金を払えば、4倍の現金を返還」するキャンペーンの対象商品も少なくない。しかも55インチ、46インチの一部商品の価格は、中国メーカーの海信(ハイセンス)、創維(スカイワース)等と同水準まで引き下げられている。

 業界関係者は、「ソニーによる控えめな値下げは、価格戦という諸刃の剣が、ブランドイメージを大きく損ねていることを自覚したためだ」と指摘している。

 今年の5月連休期間中、ソニーを始めとする日本企業は大々的な価格戦を展開した。ソニーは各液晶テレビに2000元(約2万5000円)値下げ、4000元(約5万円)値下げの札を貼った。パナソニックとシャープの販促も大胆で、シャープの52インチの液晶テレビは7000元(約8万7500円)の値下げを実施した。

 値下げにより、これらのブランドは販売台数を大きく伸ばした。家電売場の関係者は記者に対して、「上述したブランドはこれまで値下げを控えていたため、消費者がこのチャンスに食いつくことは間違いない。しかし日本企業がほくそ笑む中、『価格戦で市場シェアを拡大するとは、日本企業も瀕死の状態だ』、『価格戦により、ソニーは高級ブランドではなくなった』といった説がささやかれた。これは高級志向により中国市場に進出していた日本企業にとって、致命傷となった」と指摘した。

 業界関係者は、「ソニー等の日本企業の値下げによるシェア拡大は、業績面の圧力によるものだ」と指摘した。ソニーのテレビ事業は8年連続で赤字を計上しており、これまでの戦略を変更しなければ、泥沼化の恐れがあるというのだ。

 ソニーが発表した第1四半期報告書によると、同社の赤字総額は246億円に達した(昨年同期の赤字額は155億円)。ソニーは赤字の原因について、液晶テレビの売上低迷による影響と明記した。

 販売不振を受け、日本企業は戦略方針の変更を開始した。高級路線を貫くソニーは、2009年までは値下げ合戦に興味を示さなかった。家電売場の関係者は、「ソニーは売り場の販促活動に参加しなかった」と述べた。

 業界関係者は、「2010年元旦の前日、ソニーの中国市場戦略に変化が生じた。同社は中国市場で、2999元(約3万7500円)の安価な32インチ液晶テレビを発売した」と述べた。同社は中国という主要市場で、中・低価格商品により中国産・韓国系との競合を避け、市場シェアの獲得を目指したとされた。家電アナリストの梁振鵬氏もまた、「日本企業は値下げをタブー視してきたが、ソニーは今年からコスト削減による市場シェアの獲得に乗り出している」と指摘した。

 販売不振の原因について、ある日本企業の開発担当者は、「ソニーとシャープは、画質を自社の強みとして何度も強調してきたが、その反面デザインや機能をないがしろにした。これにより、日本製品はデザインで韓国系に負け、斬新な機能を提供することもできなかった」と指摘した。

 同氏は、「日本企業は保守的な態度により、デザイン面で大胆な挑戦を避けてきた。消費者はどの売場においても、日本製品が遅れていると感じるようになった」と続けた。



0 件のコメント:

コメントを投稿