2012年8月21日火曜日

■消費者そっぽ!時代遅れのドイツ百貨店 「つまらない。売り場をのぞきもしない」


消費者そっぽ!時代遅れのドイツ百貨店 「つまらない。売り場をのぞきもしない」
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120813/mcb1208130502006-n1.htm
2012.8.13 05:00  

 欧州の高級品市場が拡大するなか、ドイツの百貨店が時流に乗り遅れ、消費者にそっぽを向かれつつある。

 独フランクフルトの弁護士、マレイケ・グルーンさん(36)は、月500ユーロ(約4万8000円)以上を英ジミー・チュウや伊プラダといった高級ブランドの商品に費やす。しかし独大手百貨店のカウフホーフやカールシュタットには目もくれない。「ドイツの百貨店はつまらない。服を買わないばかりか売り場をのぞきもしない」と話す。

 旧態依然の経営

 ドイツでは、富裕層が高級ブランド店に足を運ぶようになったため、2009年以降、百貨店の売り上げは3.9%減少した。一方、昨年、高級品の売上高は16%増の129億ユーロとなった。

 独コンサルティング会社のA.T.カーニーで消費財・小売部門を率いるミルコ・ヴァルシュン氏は「(保守的な)ドイツの百貨店は、高級品に将来性があるということをまだ完全には理解していない」と説明した。

 独高級品市場は昨年、世界全体での9%という数字を上回る成長を見せたが、そのうち百貨店の売り上げが占める割合は4%にも満たない。

 プラダやカルティエは仏パリの百貨店、プランタンや英ロンドンの百貨店、ハロッズでは手に入るが、カウフホーフやカールシュタットでは取り扱いがない。ヴァルシュン氏によると、ドイツの百貨店は「顧客は百貨店と高級ブランドを結び付けないだろうし、ハロッズやプランタンのように旅行者がわざわざ来るわけでもなく、高級ブランド誘致への投資には価値がない」と考えているという。

 英仏、高級志向を追求

 これに対しプランタンは自店を高級百貨店と位置付ける戦略を打ち出し、昨年の収益は13%増加。同店のパオロ・デ・セザレ最高経営責任者(CEO)は「当社は高級志向を追求し、富裕層の顧客に可能な限り最高のショッピングを楽しんでもらいたい」と説明した。

 また、ハロッズはショーウインドーに特徴を持たせ、クリスマスにはスワロフスキーを使ってクリスタルの森を造り出し、エリザベス女王即位60周年にあたっては王冠や皇族のマネキンを飾った。

 ドイツの百貨店の売り上げは今年も減少すると予測されているが、時流に合わせた工夫で顧客増に努める英国やフランスの百貨店の売り上げは増加が見込まれている。

 ネットショッピングの普及も実店舗での売り上げ減を招いている。英市場調査会社、ユーロモニター・インターナショナルによると、ドイツ人は昨年、1人当たり81.2ユーロ相当の衣料品をネット上で購入した。これは06年の3倍増で、フランスの約2倍だという。そのうえ、16年には149.9ユーロに増加すると予測されている。

 グルーンさんもネットショッピングが好きだという。地元で手に入らないブランドの商品も買うことができるからだ。「ドイツの百貨店も変わらなければ」と語った。(ブルームバーグ Julie Cruz)




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