2012年8月3日金曜日

■福原愛…記者に“噛みついて”も中国で愛されるワケ=ロンドン五輪


福原愛…記者に“噛みついて”も中国で愛されるワケ=ロンドン五輪
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0802&f=national_0802_068.shtml
2012/08/02(木) 17:27

 卓球の福原愛選手はロンドン五輪卓球女子シングルス準々決勝で、世界ランキング1位の中国・丁寧選手にストレート負けした。試合直後に中国人記者が福原選手を慰めたところ、「あなたは丁寧選手を応援していたでしょ。試合が終わったら私を慰めに来た。どういうこと!?」と“噛みついた”という。それでも中国では、福原選手を好意的に見る人が多い。なぜなのだろう。

 日本人に対する中国人の複雑な感情からして、自国の記者に“噛みついた”ともなれば、大ブーイングが起きそうなものだが、結果は逆だった。電子掲示板では同話題に対して「ハハハ! なんてかわいいんだ」、「こんなにも無邪気で純粋な子がまだいたんだね」、「この子はかわいいね。話し方も率直でいい」といった書き込みが相次いだ。

 中国人の福原選手にたいする「好意」の根底には、「中国を卓球先進国と認め、敬意を持って接した」ということがある。福原選手は2005年から06年にかけて、中国の卓球スーパーリーグに所属した。卓球の腕を磨いただけでない。中国語も相当に上達した。そのことで「技を盗みに来たのではない。中国社会を尊重して、溶け込もうとした」との評価が確立した。

 遼寧省のチームに属したということもあり、福原選手の中国語には、中国語の「東北なまり」が感じられる。そのことも、「福原選手は純朴」とのイメージを強くした。

 もちろん、容姿の「可愛らしさ」もファンを引きつけた。福原選手には中国で、「陶娃娃(陶器のお人形)」というニックネームがつけられた。

 象徴的な事件が2005年にあった。福原選手は中国中央テレビのインタビュー番組に出演。司会者は福原選手の家庭の経済事情などについて、意地悪い質問をした。福原選手が困り果ててしまうと、同様の質問をさらに繰り返した。福原選手はハンカチを目に当てて泣き出してしまい、その姿が放送された。

 視聴者の多くは福原選手に同情し、司会者に怒りを示した。インターネットでは、「ああいったインタビュー手法は好きでない」、「まるで犯人を尋問しているみたいだ」といった書き込みが相次いだ。

 反日デモなどの影響が強く残っており、対日感情が極めて悪い時期だった。しかし、福原選手については「愛すべき少女だ」、「日本のスポーツ界には、日本人にだけでなく、世界中から愛される選手が多い。このことが、国際的な日本に対するイメージをよくしている。憎むべき点もあるが、愛すべき点もあるのが日本人だ」などと、好意的な書き込みがほとんどだった。

 中国人は、自国が発展しつつあるとして大きな自信を持つようになった。その一方で、「自分たちの国には、劣っている面が多い」という自信のなさもある。そのため外国人、特に先進国の人間が中国の「すぐれた所」を認めると、大いに気をよくして歓迎する面が強い。

 福原選手も、中国を「卓球王国」と認めて飛び込んだことで、中国人に歓迎された。さらに、持ち前の純朴な人がらが理解されるようになり、多くの中国人に愛されるようになったと分析することができる。


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