2012年8月3日金曜日

■韓国経済に日本型デフレの兆候


韓国経済に日本型デフレの兆候
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/02/2012080201405.html
2012/08/02 10:59 朝鮮日報

 韓国経済にデフレの兆候が見え始めている。世界的な景気低迷で潜在成長率を下回る低成長が続く中、物価が急落し、日本型不況に陥るのではないかという懸念が指摘され始めた。

 統計庁は1日、7月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比の上昇率が1.5%となり、過去12年で最低になったと発表した。通常は物価が下落すれば、家庭の生活費負担が軽減されて好ましいとされるが、今回は全く良い兆候とは受け止められていない。現代経済研究院の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)経済研究本部長は「景気が悪化し、物価が急速に下落していることを示しており、良くない兆候だ」と指摘した。

 日本は1990年代に入り、物価上昇率が3%台から1%台に低下した後、最終的にはマイナスへと落ち込み、20年近いデフレの泥沼にはまった。

 韓国政府の関係者は「1%台の物価上昇率は、世界的な景気低迷で需要が減少し、石油価格が下落した影響だ。可能性は低いが、こうした状況が長期化すれば、デフレのリスクも考えざるを得ない」と述べた。

 韓国銀行(中央銀行)は今後、物価がさらに下落するとみている。韓銀は先月13日、今年の物価上昇率予測値を3.2%から2.7%に引き下げた。穀物価格の高騰に伴う物価上昇を考えても、景気低迷による国内外の需要減少に伴う物価下落要因の方が大きいと判断したためだ。韓銀関係者は「7月の物価上昇率が予測値の2%台前半を大幅に下回る1.5%になるとは予想できなかった」と話した。

 デフレの恐怖が現実味を帯びているのは、韓国経済の成長エンジンが一向にかからないためだ。知識経済部(省に相当)が1日発表した7月の輸出は446億ドルで、前年同月を8.8%下回った。これは世界的な金融危機が発生した直後の2009年9月(9.4%減)以来の減少幅だ。韓国の輸出は今年、3月から5月に減少を示し、6月にやや増加したが、再び減少に転じた。船舶の輸出が半減し、鉄鋼、石油化学など中間財の輸出も約20%下落した。

 知識経済部のアン・ビョンファ輸出入課長は「主要国の状況や輸出企業の体感景気などを考慮すると、第3四半期(7-9月)以降も輸出の急速な改善は見込めない」と述べた。韓国の経済成長の半分を占める輸出が不振に陥り、韓国の今年の経済成長率は2%台にとどまる見通しだ。韓国資本市場研究院の金亨泰(キム・ヒョンテ)院長は「韓国経済の潜在成長率は4%だが、それをはるかに下回る低成長が続き、デフレ圧力が高まっている」と警告した。

 不動産価格の下落もデフレリスクを高める要因として挙げられる。LG経済研究院のイ・ジピョン研究委員は「資産価格が低下し、消費が低迷するバランスシート調整型のデフレ圧力も日本と同様に発生している」と指摘した。

 韓国の消費指標は、資産価格の低下と行き過ぎた負債の影響で低迷傾向を示している。統計庁が先月31日に発表した6月の産業活動動向によると、小売売上高は前月に比べ0.5%減少した。

 漢陽大のハ・ジュンギョン教授は「家計債務が910兆ウォン(約63兆円)に達し、家計の消費余力が低下した状況で、景気低迷の兆しが急に表面化し、消費心理も冷え込んでいる。当面は消費の回復が困難ではないか」と分析した。消費が低迷すれば、物価上昇率のさらなる低下要因となる。



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