2012年9月11日火曜日

■若年層の戸建て願望は消費増税で減退か


若年層の戸建て願望は消費増税で減退か
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2012/9/7 15:47

若年層の住宅取得は主に子育てが動機

2000年以降、戸建て住宅を取得する消費者の年齢層が低下している。主に若いファミリーが子育ての観点で戸建て住宅を選好する傾向が背景にある。ただ、消費税引き上げの影響でこのトレンドにも影響が出そうだ。

国土交通省の「土地問題に関する国民の意識調査」によると、日本人の持ち家志向はもともと高いがここ数年ではさらに増加傾向にあり、足元では9割近くが土地・建物を所有したいと考えている。なかでも、若い世代にその傾向が強く、実際に戸建ての注文建築を選好しているという。

住宅生産団体連合会の「戸建て注文住宅の顧客実態調査」では、世帯主の年齢は2000年以降は緩やかに下落しており、2010年は41.1歳と2000年の45.0歳から4歳程度、若年化した。住宅取得で初めてローンを組んだりする1次取得者も2000年は37.7歳だったのが2010年には36.1歳まで低下した。

ニッセイ基礎研究所の社会研究部門、塩澤誠一郎氏は、若年化の理由について、一次取得層の建築動機のなかで「子どもの出生・成長・独立」の割合が10年間で2倍以上に伸び、他の動機に比べて抜き出ていることを挙げている。

しかし、8月に成立した社会保障・税一体改革関連法が想定通り実施されれば、この傾向が弱まると塩澤氏は指摘する。注文住宅を新築する場合、13年9月末までに契約しないと、消費税率は8%になってしまう。

一次取得層の平均世帯年収は2000年の819万円から10年間で760万円に減少しており、取得費が年収をどのぐらい上回るかを示す取得費年収比率は2000年の4.6倍から2010年の5.8倍に拡大。資金不足にもかかわらず住宅を取得できるのは両親などからの贈与が大きく寄与していると指摘されるが、その贈与額も最近は減少ぎみだ。

国土交通省が今年6月に公表した12年度の建設投資見通しによると、企業や個人が購入する住宅に対する投資を示す民間住宅投資は、バブル期の半分程度に当たる13兆9000億円にとどまる。ここ10年は住宅金融公庫の直接融資の廃止や資産デフレなど、住宅供給や住宅取得を取り巻く環境が様変わりするなか、若年層の戸建て取得が市場を下支えしていた面もある。

消費税引き上げに先立ち、国土交通省が減税や「住宅エコポイント」といった給付の両面で購入者の負担減免を求める。住宅業界も消費増税で購入者の負担が増えない措置を要望している。



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