2012年11月19日月曜日

■「年収の4割は子どもの教育費、老後の蓄えも投入」


「年収の4割は子どもの教育費、老後の蓄えも投入」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/18/2012111800030.html?ent_rank_news
2012/11/18 03:02 朝鮮日報

 ソウル市盧原区に住む会社員のキムさん(45)さんは、小学5年生と2年生の娘のために昨年、教育費を2960万ウォン(約210万円)も投じた。学習塾は長女が5カ所、次女が3カ所に通い、通信教育も3種類受講した。長女は私立小学校に通っているため、学費は年間800万ウォン(約56万円)にも上る。計算すると、子どもの教育費だけで年収の40%を占めていることが分かった。キムさんの老後の備えは、月給から自動的に引き落とされる国民年金のほかに、個人年金として月70万ウォン(約4万9000円)を積み立てているだけだ。キムさんは「55歳くらいで退職すると思うが、そのころ次女はまだ高校3年生で、個人の積み立て年金も結局子どもの教育費に回さなければならなくなるかもしれない」とため息をついた。

■老後の備えの最大の敵は「子どもの教育費」

 このように「子どものために老後の人生が担保となってしまった家庭」は、何もキムさんの家庭に限ったことではない。新韓銀行が今年5月末、全国24-59歳の顧客1524人を対象にアンケート調査を行った結果、退職に備える上での障害として「子どもの教育費」を挙げた人が22%と最も多かった。次いでマイホーム資金、子どもの結婚資金という回答が続いた。子どもの教育費と子どもの結婚資金という回答を合わせれば実に36%に達し、結局子育て資金が退職を考える上で最大の足かせになっていることが分かる。これらの分析結果は、新韓銀行が顧客20万人に電子メールでアンケートを送り、寄せられた回答を分析したものだ。

 回答者は子どもの教育費として月平均134万ウォン(約9万4000円)を費やしていると答えた。園児は月平均89万ウォン(約6万2000円)、小学生は93万ウォン(約6万5000円)、中学生は108万ウォン(約7万5000円)、高校生は149万ウォン(約10万5000円)、大学生以上は168万ウォン(約11万8000円)と、進学すればするほど資金が必要になってくることが分かった。

 「子どもに投資する目的は何か」という質問には、「投資はするが見返りは望まない」(38%)という回答が最も多かった。次いで「子どもがいい職業に就けるように」(35%)、「いい結婚相手が見つかるように」(13%)、「子どもがいい大学に入れるように」(9%)という回答が続いた。全ては子どもに無条件で与える親の献身的な姿勢を物語るものだった。

 年を取って退職が近づけば近づくほど、老後の準備をしていかなければならないわけだが、アンケート結果を分析すると、回答者たちは年を取るほど老後の準備よりも、子どもに全てを投入しようとする傾向の方が強いことが分かった。中でも50代の回答者は「子どもに対する投資の方が老後の備えよりも重要だ」(18%)という回答が「老後の備えの方が子どもに対する投資よりも重要だ」という回答(17%)を上回った。一方で、30代の回答者は、「子どもに対する投資がより重要だ」という回答が11%にとどまったのに対し、「自分の老後の準備の方がより重要だ」という回答は23%にも上った。

 また「子どもに対する親の愛情はあっても、目上の人に対する愛情はない」という古い格言をほうふつさせるアンケート結果もあった。回答者たちは両親の生活費として月平均で38万ウォン(約2万7000円)を支出していることが分かった。これは、子どもの教育費のわずか4分の1にすぎない。にもかかわらず、全回答者の42%は両親の老後の生活費をまかなうのが「負担」と回答している。

■老後の準備、公務員や教師は比較的充実か

 「自分の退職後の状況について自ら点数を付けるとしたら何点か」との質問には、公務員や教師が100点満点で64点を付け、点数が最も高かった。公務員や教員年金が老後保障の心強い手段になっている点が反映された結果とみられる。次に専門職従事者(60点)、国営企業や政府傘下機関の職員(58点)、大企業の役員(57点)、自営業者(57点)、中小企業の役員(52点)の順となった。

 また、回答者たちは老後に対する備えが十分にできていないことが分かった。専門家たちが老後に備える理想的な手段として薦めている「年金3セット(国民・退職・個人年金)」に全て加入している回答者は10人に1人の割合にとどまり、国民年金だけに加入しているという人が3人に1人だった。3セットのうち二つに加入しているという人は10人に4人の割合だった。

 新韓銀行の関係者は「生活費を削り、無理して子どもの教育に投資する親よりも、退職後に子どものお荷物にならない親の方がはるかに理想的だといった認識が定着していくべきだ」と説明した。




0 件のコメント:

コメントを投稿