パナソニック王国の衰退 その原因を分析
http://j.people.com.cn/94476/8017847.html
2012年11月14日 「人民網日本語版」
日本製造業の代表ともいえるパナソニックが今、空前の危機に陥っている。2011年度に7721億円の赤字を計上したのに続き、今年度の赤字も7650億円に達する見込みだ(ちなみに、日本の製造業最大の赤字は日立製作所が2008年度に計上した7873億円)。パナソニックは2年連続で7000億円を超える巨額の赤字を計上した。これは日本の製造業の歴史において非常に珍しいことだ。経済参考報が伝えた。
パナソニックは普通の企業ではない。長期にわたり日本経済の成長をけん引してきた原動力であり、「メイド・イン・ジャパン」の誇りと見られてきた。それが今日のような立場に追いやられるなど、誰が予想しただろうか。しかし起こった事には全て原因がある。詳しく分析すればパナソニックが衰退した必然的な原因を見出すことができる。
まず第一に、「三種の神器」の失速だ。パナソニックはこれまで「三種の神器」、すなわち「テレビ、冷蔵庫、洗濯機の3業務を柱に家電王国の地位を固めてきた。しかしここ数年は、画期的な新製品が出ておらず、失速感が否めない。営業利益率を見ても全盛期の5%以下に落ち込んでいる。特にテレビは挽回のすべもない状態だ。
パナソニックのテレビは世界市場で相次いで敗北を喫している。日本国内市場でも絶えず規模が縮小しており、2012年度の販売台数は全盛期より30%以上少ない1300万台となった。しかも競争が激しいため、価格は大きく低下している。パナソニックのテレビ業務は5年連続の赤字となっており、もはや目玉商品ではなくなった。
第二に、投資で失敗が続いた。パナソニックは2012年に最終黒字を見込んでいたが、今のところその希望は叶っていない。
三洋電機の子会社化により、パナソニックは5000億円の損失を被った。その後4000億円を投じ、兵庫県尼崎市でプラズマディスプレイ工場を3カ所建設。これらの工場は2005年、2007年、2009年に相次いで操業開始し、毎月194万台を生産したが、昨年秋には2工場の生産停止が決まった。プラズマテレビは液晶テレビと比べ、技術的メリットがなかったためだ。2008年にはパイオニアと日立がプラズマテレビ用のパネル生産から撤退していたが、唯一パナソニックのみが投資を続け、深みにはまった。
将来性のあるスマートフォン分野も同様だ。パナソニックは2011年にスマートフォンで欧州に進出し、2015年度には海外市場でのスマートフォン販売台数を900万台とする計画だった。しかし、パナソニックの携帯は現地の通信業者および消費者のニーズに合わず、今年撤退を余儀なくされた。これにより同社は1000億円の損失を被った。
このように、起死回生を狙った大規模な投資が相次いで失敗に終わり、見返りが無かったばかりかむしろ巨額の損失をもたらした。これはパナソニックにとって大打撃となったが、政策決定層の重大なミスと言わざるを得ない。
第三に、パナソニックの経営モデルに変革の必要が生じた。「水道哲学(安価な商品を大量に供給する)」を提唱し、実践するパナソニックは、たとえ商品開発で遅れをとっても、生産力と販売力さえあればトップになれると考えてきた。数で相手を圧倒することが同社の必勝パターンだった。しかし企業がグローバル化する今、技術で世界をリードできなければ、すぐに市場から追い出されてしまう。このことについては、パナソニックの津賀一宏社長も「我々は価値観を変えなくてはならない」と強調している。
しかし、「安く、大量に」を目指す「水道哲学」から脱却した後、パナソニックはどこへ向かうのだろうか?日本の電機メーカーがほぼ総崩れ状態となった今日、パナソニックは活路を見出すことができるのだろうか?(編集SN)
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