2012年12月4日火曜日

■プレゼントの使い回しは受け入れられつつある=米研究


プレゼントの使い回しは受け入れられつつある=米研究
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_558458?mod=WSJFeatures
2012年 12月 4日  20:54 JST

 プレゼントを送って喜ばれるには、受け取り手の心の中を想像する必要がある。ただ、残念ながら、心理学的な調査によると、贈る側も受け取る側も互いの考えを理解するのは困難で、クリスマスを含んだこの時期に気まずい経験をすることになる可能性があるという。

 プレゼントの使い回しを取り上げてみよう。去年、叔母さんが善意でくれたクロックポット(電気調理鍋)を今年は恥ずかしくも包み直して隣人にあげようと考えていないだろうか。調査によると、隣人にあげても問題はなさそうだ。叔母もおそらく気にしないだろう。

79%の人がクリスマスシーズンの贈り物の使い回しは受け入れられつつあると回答
 多くの人は使い回しを避けようとするか、していたとしてもそれを隠そうとする。もともとの贈り主が気分を害すると思うからだ。だが、心配はいらない、と心理学雑誌サイコロジカル・サイエンスに掲載された最近の調査は指摘する。もともとの贈り主は、受け取った方が気にするほど、気分を害したりしないようだ。

 贈り主は相手に気に入ってもらえる贈り物を見つけるために時間と労力を割くものの、11月発行のジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・サイコロジー:ゼネラルに掲載された研究によると、考え抜かれた贈り物が必ずしもより大きな感謝の気持ちに結びつくわけではないという。気持ちのこもった贈り物の恩恵は実際、相手への新密度を感じる贈り主のほうに主にあるということが研究によってわかった。

 人は自分が明白にリクエストした贈り物を受け取った時の方がより感謝するという。これは昨年、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・ソーシャル・サイコロジーに掲載された別の研究によりわかった。

 「思いが大事なのではなく、贈り物自体が大事というわけだ」とシカゴ大学で行動科学を教えるニコラス・エプリー教授は話す。エプリー氏は11月の研究の共同執筆者でもある。

 また別の研究では、高価な贈り物が必ずしもより大きな感謝に結びつかないこともわかった。これは多くの贈り主にとって驚きかもしれない。高価な贈り物のほうがより高い水準の思いが込められていると思いがちだからだ。この調査は2009年に発行されたジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・ソーシャル・サイコロジーに掲載されている。

 「誰もが過去にしばしば贈る側になり、贈られる側にもなってきた」と、スタンフォード大学のビジネススクールで組織的行動を教える教授で、ギフトを贈るという分野の研究を行ってきたフランシス・フリン氏は話す。それぞれの役割の感じ方を知りながらも、人は贈り物を買いに出かけているときは、例えば贈られる側の経験を活かすことにしばしば失敗すると指摘する。

 贈り物の使い回しは、かつてはタブーだったが、今では少しずつ受け入れられつつある。アメリカン・エキスプレスが全米を対象に行った消費者の購入行動に関する調査によると、58%の人が時には贈り物を使い回してもいいと回答した。この数字はホリデーシーズンになると79%に上がる。社会的に受け入れられているというのがその理由だ。約2000人を対象に昨年実施されたこの調査では、消費者の4分の1近くが前年のホリデーシーズンに贈られたギフトのうち、少なくとも1つを再度誰かに贈ったと回答している。

 贈り物の使い回しを推進しようとする動きもある。経済的問題に直面している人を手助けする活動を行っている非営利のマネー・マネジメント・インターナショナルは5年以上前からウェブサイトRegiftable.comを運営し、12月の第3木曜を「ナショナル・リギフティング・デー」だと宣言しており、ホリデーシーズンに多くの企業で行われるパーティーと時期が重なる。少なくとも1つの州、コロラド州が公式にこの日をリギフティング・デーとして認めた。

 ロンドン・ビジネススクールで組織的行動を教える准教授のガブリエル・アダムス氏は「贈り物の使い回しは悪いことではない。人が考えるほど不快なことではない」と話す。アダムス氏はサイコロジカル・サイエンスに最近発表された研究の共同執筆者でもある。

記者: Sumathi Reddy




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