2012年12月4日火曜日

■日本で「インフラ老朽化」が深刻


日本で「インフラ老朽化」が深刻
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/04/2012120401050.html
2012/12/04 11:31 朝鮮日報

 今月2日、中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故を受け、日本でトンネルや橋などの安全性に対する不信感・不安が強まっている。

 この事故は、トンネルの天井板(1枚当たり幅5メートル、奥行き1.2メートル、厚さ8センチ)をつり下げる金具のボルト(長さ23センチ、直径1.6センチ)が老朽化したことが原因とみられている。老朽化したボルトが抜け落ち、隔壁を含め天井板が150枚ほど落下したようだ。

 このトンネルは1975年に完成し、77年に開通した。だがNHKによると、ボルトについては耐久年数の規定がないことを理由に、完成後一度も交換していないという。中央自動車道の管理会社は今年9月の安全点検で、つり金具とトンネル最上部の結合部分については、ハンマーなどでたたいて音の反響で異常がないかを調べる打音検査をせず、目視だけで「異常なし」と判定していた。

 さらに大きな問題は、こうした老朽建造物が日本各地に存在するということだ。笹子トンネルが建設された70年代は、田中角栄元首相が自民党総裁選を控え72年に発表した「日本列島改造論」に基づき、全国で建設ラッシュが起こっていた。

 日本は当時、景気低迷の克服と地方の発展を名目に高速道路や橋、トンネルを一斉に建設した。そして今、築30-40年の老朽建造物が増える「インフラの老朽化」が進んでいる。日本全国のトンネル1万300本のうち、築30年以上のものは4800本、築40年以上は3200本に上る。昨年の調査では、高速道路だけでも、補修を必要とするトンネルや高架橋などの損傷が約55万5000カ所で確認された。2005年の4万7000カ所に比べ10倍以上に増えている。

 日本では、1970年代に大量に建設した橋や道路の改修・補修費用だけで、向こう40年間で600兆円を要するとの試算もある。インフラの改修・補修費用は、すでに年間1兆円に達している。老朽建造物の改修・補修を本格化すれば、費用は年間5兆円に膨らむ。日本政府は、2030年には築50年以上の道路・橋梁が53%に達し、37年には改修・補修費用の急増で新規建設投資が不可能になる可能性もあると見込んでいる。

 日本は1000兆円を超える国の借金、高齢化による社会保障費の急増などで、簡単にはインフラの改修・補修への投資を増やせない状況だ。人口減少が本格化し、利用者が少ない道路など不要なインフラも急増している。地方ではすでに、動物しか通らないほど利用者が減った道路も増えている。





■またも崩れた日本の安全神話
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/03/2012120300560.html
2012/12/03 09:03 朝鮮日報

山梨県の高速道路トンネルで天井崩落、1カ月前の点検では「異常なし」
昨年の原発事故に続き、途上国型の事故

 2日午前、日本の首都・東京から80キロ離れた高速道路のトンネルの天井が突然崩れ落ち、3人が死亡、少なくとも5人が行方不明になる事故が発生した。このトンネルは、事故発生のわずか1カ月前に行われた安全点検で「異常なし」との判定が下されていた。かつて、世界最高の「安全大国」と呼ばれていた日本で、昨年の原発事故に続き、またもや信じられない途上国型の事故が発生したことになる。

 山梨県大月市と甲州市にまたがる中央自動車道上り線の笹子トンネル(全長4.7キロ)で、2日午前8時ごろ、トンネルの天井が崩落する事故が発生した。通行中の車3台が崩落したコンクリート製の天井の下敷きになり、火災が発生して、トンネル内には瞬く間に黒い煙が充満した。

 事故が発生したのは、大月市側の出口から1.7キロの地点で、トンネルの天井が50-60メートルにわたって崩落した。厚さ8-9センチ、横5メートル、縦1.2メートル、重さ1トンのコンクリート板約150枚が相次いで地面に落下した。

 事故現場付近を走行していた車は急停止し、乗っていた人たちは車を降り、歩いて脱出するなど、トンネル内は修羅場になった。現場から脱出した女性(28)は「車には6人が乗っていたが、ほかの人たちはどうなったか分からない」と話した。また、現場の50メートル手前で止まり、難を逃れた30代の男性は「コンクリート板の下敷きになった車から火災が発生した。車を乗り捨て、歩いて外に逃げ出した」と語った。

 事故は車の通行量が比較的少ない日曜日の朝に発生したため、最悪の惨事を免れることができた。事故発生後、警察官や消防官が出動し救助作業を行ったが、火災のため現場への進入は容易ではなかった。午後1時ごろには、トンネルがさらに崩落する兆しが見られたため、救助作業は中断を余儀なくされた。警察は午後8時「さらなる崩落の可能性がある天井を補強する作業を並行して行っているため、救助作業に遅れが出ている」と発表した。

 中央自動車道は東京と西日本を結ぶ高速道路で、事故現場は東京から西に80キロほど離れた所にある。NHKが報じたところによると、1977年に開通した笹子トンネルは、今年9月から10月にかけ行った定期点検で「異常なし」との判定が下されていたという。日本政府は昨年3月の東日本巨大地震以降、高速道路や建物に対し一斉に安全点検を行ってきた。事故原因についてNHKは「トンネルの天井を支えていた鉄骨が腐食していた可能性がある」と報じた。




0 件のコメント:

コメントを投稿