2012年12月6日木曜日

■海を渡る捨て犬、韓国ではもらい手なし


海を渡る捨て犬、韓国ではもらい手なし
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/06/2012120601037.html
2012/12/06 11:19 朝鮮日報

 忠清南道牙山市にある捨て犬の保護施設。ここで10カ月暮らした捨て犬の「ラス」は来月5日、ドイツにもらわれていく。韓国で引き取り手がいなかったためだ。ラスは大型の雑種犬で、右後ろ足が不自由だ。自分を捨てた飼い主の車を追い掛けようとして交通事故に遭った。施設の運営者、パク・ヒテさん(60)は「ドイツにもらわれていくラスが気の毒だが、捨て犬、特に大型犬や雑種犬を欲しがらない韓国では行き場がない」と語った。

 捨て犬のもらい手を探すボランティアのクレアさん(30)=南アフリカ=は「韓国は犬をもらうのを嫌う傾向がある上、捨てられた犬が劣悪な環境に置かれており、多くの外国人がもらい手に名乗りを上げている。面倒を見てやろうともらっていくため、障害があったり虐待を受けたりした犬を選ぶケースも多い」と話した。

 保護施設でラスのように外国人の飼い主にもらわれていった捨て犬は過去4年で300匹を超える。今年も35匹が海外に、61匹が国内に住む外国人にもらわれていった。もらわれていく捨て犬は「珍島犬」などの大型犬が多い。飼い主に頭部を殴られているという住民の通報で救出された犬、食用犬飼育場から脱出した犬など今も55匹がもらい手を探している。

 「韓国では犬を食べるために殺す」という認識が広まっている点も、外国人が韓国の犬をもらっていく動機になっている。3年前にカナダに渡った捨て犬「ティファニー」のケースがそうだった。

 ティファニーには口と鼻の部分がない。何者かがティファニーを食用にするため鎖で口の部分を縛って殴ったからだ。なんとか脱出したが鎖につながれていた部分が切断されてしまった。

 ティファニーの話はインターネットを通じ海外にも伝わり、カナダの大学病院が手術に応じた。引き取りたいという申し出も各地から相次いだ。

 しかし、捨て犬をもらうのは容易なことではない。縁組は動物保護団体アニマルレスキューの韓国支部に所属する外国人会員が、韓国国内の保護施設15カ所ともらい手のあっせんをする形で進む。申請書類を作成して面接を受けた上で熟慮の期間を設けるなど複雑な手続きが必要だ。航空運賃に加え、4万-5万ウォン(約3000-3800円)の基礎医療費用の負担も必要だ。

 2010年に韓国で捨てられた動物は10万899匹。うち飼い主が見つかったのは31%にすぎない。チョンファ総合動物病院のカン・イムグォン院長は「経済協力開発機構(OECD)加盟国で捨て犬を海外に輸出しているのは韓国だけだ。孤児輸出国トップの国が捨て犬輸出でもトップになった格好だ」と話した。




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