【コラム】 中国でのPR活動は「地域性」と「記者との人脈」を活用せよ!
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0608&f=column_0608_018.shtml
2012/06/08(金) 09:23
自社の商品やメッセージを、メディアを代表とする「第三者」を通じて記事や口コミという形で紹介してもらうPR活動は、中国においても非常に積極的に行われている。その手法は記者発表会や工場見学会、商品体験会といった日本でも頻繁に行われている内容から、記者懇親会(食事会)や月餅の送付など、中国ならではの「人脈」を重視した活動まで多岐に渡る。
最近ではWEB、携帯メディアの有効性が高まっていることから、「紅人」と呼ばれるようなWEB上のカリスマユーザーもメディアとして活用されているのも、昨今のPR業界のトレンドの一つである。
中国におけるPR活動の特徴をあげるとしたら、(1)エリア区分と(2)人脈の2点が挙げられるだろう。
まず、(1)エリア区分について説明すると、日本のような総合全国紙がなく各都市毎に有力新聞が存在する。テレビについても全国放送はCCTV(中央電視台)と各省の衛星TVのみであるため、各地方ではローカル局の影響力が強い。
従ってそれぞれの都市のメディアに対するPR活動が重要となる。新商品の発表会についても北京、上海、広州でそれぞれ行ったり、またはある都市の発表会にその他の地域の媒体を呼ぶというケースが見られる。ただし予算の関係上でどうしても一都市という場合は雑誌メディアが集中している北京や、その商品の重点販売都市で実施するというパターンが多い。
次に、(2)人脈については、中国のあらゆる業界同様、PR活動においても重要な要素である。メディアが記事として報道できるかどうかは、もちろんニュースバリュー(報道価値)の有無が大前提となるが、中国の場合記者との関係性が日本や欧米と比較して強く影響する。
そのため各業界のPR担当者は記者懇親会や日常的な編集部訪問を通じ、記者との人脈構築に努めている。さらには春節や国慶節など、中国の祝祭日に記者に贈り物を送付することなどが重要な活動として行われている。(昨今は月餅を送っても記者に喜ばれないため、例えば自動車記者であればガソリン券、美容記者であれば化粧品のサンプルキットなど、贈り物の選択にも工夫が必要である。)
その他にも他社の記事を引用して掲載する「転載」や、記者へのお車代や原稿費の支給など、中国のPR業界独特の慣習が存在する。
転載については、マイナス報道の場合は企業にとって大きなダメージとなるが、逆にポジティブな報道であれば世論形成のきっかけとなる。また編集部門と広告部門の境目が厳格でなく、フレキシブルな記事広告(ペイドパブ)の掲載が可能な点などは、ブランドやメーカーにとっては有利な点と言えるだろう。
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