【コラム】節制の時代
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2012/08/12 09:34
先月、ある飲料会社が「暑くてたまらないのに、彼は車(チャ)がない」という屋外広告をバス停に張り出したところ、強い抗議を受け、広告を撤去した上、謝罪文を発表するという騒動があった。広告の「チャ」は「自動車」ではなくて「麦茶(ポリチャ)」を意味していると弁解したが、余計に反発を買った。
現代韓国の「テンジャン女(虚栄心が強く男性を利用する女性)」たちにとって、車のない男性は「お金のない男性」「背の低い男性」と共に3大敗者扱いされる。このような世情を知らなかったのか、コピーライターと広告主は、広告の文句を韓国社会が受容可能な「愛嬌(あいきょう)ある挑発」程度と捉えていたようだ。そのため、バス停7カ所に広告を出したのだろう。
日本の新聞に先日、次のような記事が出た。「バブル経済が崩壊した後に学生生活を送った世代は本能的に浪費を嫌い、節約生活を『すてき』だと考える傾向がある」という内容だ。これは現在の20代、30代を指している。近い所は自転車、遠い所は電車やバスで移動する若者たちの生活習慣も紹介していた。
日本の若者たちの「車離れ」現象は、今に始まったことではない。日本経済新聞は2007年に東京の20代の若者1207人に調査を行ったところ、自動車の保有割合は13%で、2000年の23.6%から10ポイント以上減少した。車を買わない風潮を超え、車を持たないことを「カッコイイこと」として受け止める段階に入っている。
実際、このような風潮は一種の自己催眠だ。日本の若者たちの車離れには、景気低迷と青年層の失業という経済的な背景があるためだ。「買えない」ことをまるで「買わない」ことであるかのように、見事に言い換えているのだ。
このような風潮と関連して、日本で「シンプル族」という言葉が流行したことがある。評論家、三浦展氏が09年に出版した『シンプル族の反乱―モノを買わない消費者の登場』で用いられた言葉だ。複雑で過度な消費を遠ざける生活を意味する。シンプル族が流行すると、お金のある若者まで「自発的貧乏」を選択するケースもあるという。
もちろんこのような現象は経済成長にとってマイナス要因だ。しかし、日本の若者たちが時代の変化に満足できなかったならば、今ごろは借金の山を抱え、経済にさらに悪影響を及ぼしていただろう。日本は借金大国として有名だが、家計負債はGDP(国内総生産)比で67%と、韓国(81%)より低い。政府が借金大国をつくり上げても、欧州のように日本が不安定にならないのは、家計が節制して支えているためだ。
韓国経済は奇跡が起こらない以上、今後も低成長を抜け出すことはできない。多くの人は最後の「一発」を期待しているが、マンションや株を転がす手法で金持ちになる時代は、今後来ないだろう。われわれが日本から学ぶべきことがまだ残っているとすれば、そのような時代に順応し、生活習慣や哲学に至るまで、変化を模索する個人の姿かもしれない。
日本で『清貧の思想』という本がベストセラーとなったのは1993年、日本経済が停滞し始めた直後だった。現在の韓国経済は当時の日本の状況と似ている。無理をすれば手の打ちようのない結果を招く。日本は政府が無理をした。韓国政府もまた、誰が政権を取るにせよ、無理をしそうな態勢だ。それならば国民だけでも未来に対し防御すべきではないだろうか。持っている人は消費すべきだが、そうではない人が無理することまで助長してはならない。
自己催眠でもいい。「暑くてたまらない日」でも車のない彼が好きな彼女、東大門市場のファッションに身を包んでいても(ブランド品を身に着けていなくても)彼女のことが大好きな彼、漢江公園にテントを張ってもハワイ気分を味わえる明るい家族…。満足できる人たちが流行を主導できれば、われわれは思ったより明るい未来を次の世代に引き渡すことができるだろう。
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