2012年10月18日木曜日

■【コラム】 人材育成を怠っている企業は衰退していく!


【コラム】 人材育成を怠っている企業は衰退していく!
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1018&f=column_1018_024.shtml
2012/10/18(木) 10:35
       
 自社の強みを生かすには「人材」という経営資源を生かし、「強い工場」を築き上げていく!と言うのがこのコラムでの今までの一貫した主張です。

 今、中国の工場では、人手不足を補うためにロボットを設置したり、安い工賃の労働者を求めて工場を内陸部や、他国へ移転したりする流れが強まっています。確かに、最近は、華南地区や上海近郊の工場を訪れてもヒトは少なくなっています。ある工場では、5年前訪れた時は、一台の機械に3,4人が付いて作業していましたが、最近では逆に、数台の機械を一人が掛け持ちで作業しています。ヒトが少なくなった代わりに自動化設備が機械の周りに設置されるようになりました。

 しかしながら、ヒトを減らしてロボットを導入するだけで生き残って行けるでしょうか?また、リスクを避けて他国へ工場を移すにしても、莫大な撤退費用や労力が掛かります。

 世界最大のEMSメーカーであるFOXCONは、今後3年間で100万台のロボットを導入する計画との事ですが、中小企業にとっては資金面や、維持管理の面でロボット化にも限界があります。効率化し徹底的に価格を下げるか、それともオンリーワンの製品やサービスで「差別化」するのか?中小企業にとってはどちらを選択したら良いでしょうか?ロボットを大量導入し効率化を図ることがむずかしい中小企業にとっては、やはり高度な製品、よりきめ細かいサービスを提供し、オンリーワンを目指すべきと考えます。

 撤退を考え、相談に訪れる日系企業が最近増えていますが、その企業を診断すると80%以上が、経営や工場の運営方法に問題があると日系コンサルタント会社がレポートしていました。もともと中国系企業は、新規受注サイクルの需要に合わせ必要に応じて雇用したり解雇したりの繰り返しで、ましてや労働者を訓練したり、彼らに確実な昇進の道を提供したりすることはほとんどありません。日系企業も郷に入れば郷に従えで、ヒトを同じように扱って来ました。

 ロボットは決められた作業は一日24時間効率を下げずに行う事はできますが、それ以上より高度な、より柔軟な作業は行うことは出来ません。ところが、ヒトには学習能力もあり、柔軟な対応も可能です。ヒトがより高度な製品を作れるようになるのと同時に、その集合体である「組織」としても成長し、付加価値をもった強い工場に成長させることが可能です。

 それにはまず、企業にとって「ヒト」を「人材」または「人財」として、貴重な経営資源として捉え、会社に長く留め、生かしていくことが重要です。そのためには、採用→教育→配属→評価→インセンティブという「人材マネジメント」サイクルの仕組みを構築しなければなりません。

 人材マネジメントの目的は、以下の三つの項目に集約されます。

1.経営方針を理解し、方針にそって継続して自ら工夫し改善できる管理者・スタッフを育成する
2.採用後、出来るだけ早く戦力となり、また長く会社にとどまるよう教育や人事の制度を工夫し整備する
3.コミュニケーションを重視しトップダウン方針を一人一人に浸透させる、また底辺の意見を良く聞く

 この目的を達成させるように仕組みをうまく作ることによって、「人材」が生かされ、「組織」が成長し「強い工場」作りへとつながって行きます。

 今中国から撤退し、工場を他国へ移転することが最適の解決策とは思えません。「人材」「組織」を継続して成長させる仕組みがしっかりと出来ていない企業は、どの国へ行っても、いづれ競争に敗れ衰退していくのではないでしょうか。これからの生き残りを掛けて、自社にとって何が必要か?撤退を考える前に今一度考え直す必要があると思います。



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