2013年5月14日火曜日

■円安で日本への旅行が手頃に—外国人観光客増加


円安で日本への旅行が手頃に—外国人観光客増加
2013年 5月 10日 12:07 JST
By MIHO INADA


 円安を受けて、日本への旅行はとんでもなく高くつくという評判に変化が生じ、観光業界に追い風となっている。観光は長年、成熟した日本経済の成長源となり得る産業の1つとして挙げられてきた。

 1ドルはいまや100円の価値があり、ドル円相場が1ドル=80円以下だった昨年11月から上昇している。外国からの訪問者が急増する一方、日本人は海外旅行を減らして国内旅行を増やしている。

 今回の円下落前の3月でも、外国人訪問者数は前年同月比26%増の85万7000人となり、3月としては日本政府観光局(JNTO)が1964年に統計を取り始めて以来最多となった。

 円安は、日本の観光業界が過去2年間に直面した数々の困難を乗り越える助けになった。2011年には、原発事故による放射能汚染への恐怖感から外国人観光客が減った。また昨年以降、尖閣諸島(中国名は釣魚島)の領有権をめぐって中国との緊張が高まったことで、それまで訪日客の中で最も急速に伸びていた中国からの観光客が激減した。中国の観光客は依然として日本を避けているものの、中国以外のアジア諸国、欧州、それにロシアからの訪日客がその差を埋め、それ以上に増えている。

 東京の高級ショッピングエリアである銀座では、スウェーデンから来た34人の団体客が買い物を終えて大型のツアーバスに戻るところだった。

 ツアーガイドのMagnus Carlsson氏は「日本はスウェーデン人から最も行きたい観光先に選ばれている」と話し、「日本は人気の観光先で、かつては費用が高すぎたが、いまは安くなっている」と付け加えた。

 石川県観光戦略推進部国際観光課の斎藤博課長によると、今年1-3月に兼六園を訪問した外国人の数は前年同期比で45%増加した。

 韓国からの観光客増加を受け、石川県は韓国の旅行代理店22社を招待し、観光スポットやゴルフコースを案内したという。

 斎藤課長は「円安を利用して(韓国から)より多くの観光客を引き付けたい」と述べ、「この市場には成長の余地がある」と語った。韓国の観光客は過去数年間の円高の際には、旅行費を削ろうとフェリーで九州を訪れていたが、同課長によると、この円安でこういった観光客を石川県に「取り戻せる」と考えているという。

 東京の電気街、秋葉原では、インドネシアから来たDaniel Wijonoさん(37)が9日間の旅行の最終日に妻と義母が化粧品を買い終わるのを待っていた。製造業で働くWijonoさんは、電子機器、ゲームキャラクターのフィギュア、それにユニクロのセーターが入った袋を3つ抱えていた。

 Wijonoさんは、昨年初めの前回訪日時と比較して「今回はかなり良い。前回よりモノの値段が10%以上安い」と話し、「でも、おかげでお金を予想よりたくさん使ってしまった」と語った。




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