2013年4月22日月曜日

■【中国BBS】安倍首相の震災援助申し出、評価する人・信じない人


【中国BBS】安倍首相の震災援助申し出、評価する人・信じない人
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0422&f=national_0422_038.shtml
2013/04/22(月) 14:43

 安倍首相は四川省雅安市で20日朝に発生した地震に対して同日中に中国の習近平国家主席、李克強首相に対して、「心よりお見舞い申し上げる。我が国としても最大限の必要な支援を行う用意がある」とのメッセージを送った。中国でも報じられたが、読者の受け止め方は複雑だ。政治問題とは別に、「感謝すべき」という意見と、首相が21日、靖国神社に真榊を奉納したことなどを問題視して、「善意を信じられない」という声の両方がある。

 中国のニュースサイト「環球網」が21日早朝に安倍首相のメッセージを紹介する記事を掲載したところ、読者からコメントが次々に寄せられた。

 「支持(そう思う)」が最も多いのは、「小日本は実際のところ、住居の耐震能力が極めて高い」との書き込みだ。「今回の地震を受け、すべての住居の検査をして、危険な建物は少しずつでも撤去せねばならない」と主張した。「多くの人が反感を持つ日本でも、見習うべき点は見習おう」との気持ちを込めて、通常は悪意を込めて用いられる「小日本」という言い方を使ったと思われる。

 「支持」が次に多いのは、安倍首相が「われわれが地震で最も苦しんでいたその隙に、靖国神社を参拝していた」、「われわれが援助を受け入れたら、靖国参拝を認めたことになる」と、安倍首相の善意を信じず、援助は拒絶すべきとの主張だ。

 尖閣諸島の問題がらみで、日本の援助は不要とする書き込みもあるが、靖国問題を理由とする声の方が多い。なお、安倍首相は内閣総理大臣名義で真榊を奉納したが、靖国神社に足を運んだわけではない。中国側に一定の配慮をしたと思われるが、すくなくとも一般庶民には理解されておらず、「配慮」の効果は見受けられない。

 「安倍首相は理知的だ」と援助申し出を評価する書き込みも、多くの「支持」を集めた。安倍首相の表明について「釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)の問題とこのたびの地震を分けて考えている。争うべきは争う、援助すべきは援助すべきとのやり方で、これは国際問題で常にみられる原則だ」と、国家のつきあいにおける常識と説明。

 問題は「中国人がふたつのことをごっちゃにする」ことと指摘。「冷静で寛容な心で、安倍首相に対するべきだ。それが美徳というものだ」と主張し、日本の首相の援助申し出に対する感情的な反発は、中国人の品格を落とすものとの考えを示した。

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◆解説◆

 中国政府は1972年に実現した日本との国交正常化に際して、「戦争を発動したのは一部の軍国主義者。日本人民はわが中国人民と同様に戦争の被害者だ」との論理を用いた。中国としては緊張していた中ソ関係の問題などもあり、日米など西側諸国との関係改善を強く望んでいた。日本に対して、たとえば「国家賠償」を求めた場合には日本が国交正常化に応じられないことはよく分かっており、戦争責任問題で、日本を「不必要に追い詰めない」との政治的判断で、「すべての責任は軍国主義者にあり」と主張したと考えてよい。

 中国側の“論理”では、軍国主義者の中心的人物は、いわゆるA級戦犯であり、日本政府の責任者がA級戦犯が祀られている靖国神社を参拝すれば、「戦争の責任は軍国主義者にある。現在の日本政府に軍国主義の考えはない」との説明が崩れてしまう。そのため、政府首脳の靖国参拝に対しては強く批判せざるをえないことになる。

 中国側からはこれまでに、日本の首相、外相、官房長官の靖国参拝だけは絶対に認められないとの声が出たことがある。また、一般人が戦死した肉親への感情から靖国神社に参拝することは「政治的に批判する立場にない」との考え方だ。

 日本では「死者にむち打たない」との考え方が一般的で、故人に対する批判、特に人格的な批判は控えることが「美徳」との考え方がある。中国人にこの考え方は薄く、故人についてもむしろ「善人・悪人」と2分して「善人」を賞賛し、「悪人」とみなす人物を強く批判する傾向が強い。

 そのため、日本の政府要人が靖国神社を参拝すると「歴史上の大悪人である軍国主義者を崇拝・賞賛している。再び侵略戦争を起こしたいというのが日本の本音だ」と受け止められやすいことになる。靖国神社問題が大きくなりやすい背景には、日本人の自然な宗教観が、中国人に伝えきれていないということもある。



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