2011年9月25日日曜日

■「1000円高速」廃止3カ月 交通量減少、観光に影響

「1000円高速」廃止3カ月 交通量減少、観光に影響
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819890E0E0E2E2848DE0E0E2EBE0E2E3E39E91E2E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4EA
2011/9/23 6:01 日経Web

 高速道路料金の割引制度「休日上限1000円」と無料化実験が廃止されて3カ月がたち、中国地方の観光地にも影響がじわじわ及んできた。鉄道など公共交通機関では行きにくいエリアなどでは観光客の減少が顕著で、てこ入れが課題となっている。一方でイベントの開催や四国に流れていた観光客を取り込むことで影響を相殺している観光地もあり、明暗を分けている。
 「上限1000円」の終了で高速道路の交通量には如実な変化が出ている。西日本高速道路会社によると、7月の中国地方の通行台数は前年同月比18%減った。大幅な割引がなくなり、鉄道など公共交通機関を利用する人が増えていることが背景にあるようだ。
 観光地への影響も出ている。人気漫画「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪のブロンズ像が人気の水木しげるロード(鳥取県境港市)の観光客数は7月以降失速。同市観光協会によると、6月は前年同月比22%増の約19万5000人だったが、7月は28万4000人(同25%減)、8月は62万4000人(同33%減)とともに前年を大きく下回った。9月に入っても11日までの観光客数は47%減と振るわない。
 同協会は「昨年は原作者の水木しげる氏夫妻をテーマにしたドラマ放送で集客が進んだため、反動減が大きい」と話すが、「1000円高速の終了が重なった影響もあるようだ」とみる。
 観光客の半分以上が県外からという広島県廿日市市の観光地、宮島。6月の観光客数は割引終了直前の駆け込みで20万5488人と前年同月比で7%増えたが、7月は一転、20万6077人と同8%減少した。
 宮島は関西や九州方面からの遠距離のマイカー客も多く、割引制度の終了による影響を受けたようだ。ただ、8月は宮島水族館がリニューアルオープンしたこともあり、地元は今後の客数増に期待をかけている。
 一方、一時落ち込んだ客足が回復しつつある観光地もある。松江市がまとめた8月の施設別入り込み客数では、松江城が前年同月比12%増、ぼたんで有名な日本庭園「由志園」は20%増と、ともに高い伸びを記録した。市が開催している「松江開府400年」記念イベントなどが割引終了による落ち込みを補い、逆に下支えしている格好だ。
 白壁の家並みで知られる「美観地区」がある岡山県倉敷市も、地元が当初懸念したほど観光客は減っていない。本四架橋の通行料割引が終わったことがプラスに働いた面もあるようで、同市は「四国に遊びに行く人が減った分、こちらに流れてきている可能性もある」(観光課)とみている。



0 件のコメント:

コメントを投稿