2011年9月24日土曜日

■にぎわい消えた観光地 世界遺産擁する那智勝浦で客呼び戻す模索も

■【紀伊半島豪雨】にぎわい消えた観光地 世界遺産擁する那智勝浦で客呼び戻す模索も
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110923/dst11092322250012-n1.htm
2011.9.23  22:24

 台風12号による水害の影響で、年間約140万人以上の観光客が訪れる景勝地、和歌山県那智勝浦町で観光客が激減している。本来はかき入れ時の秋の行楽シーズンに入ったものの、旅館などは相次ぐキャンセルで例年の2割程度まで宿泊客が落ち込み、地元観光業界からは悲鳴が上がる。JR紀勢線の全線復旧を待たず、観光バスのチャーターの検討を始めた旅館組合もあり、観光客を呼び戻そうとする模索も始まっている。
 「東日本大震災後の旅行の自粛ムードで影響を受けていたことに加えて今回の水害。このままでは町の観光は立ち行かなくなる」。 同町の旅館やホテルなどが加盟する南紀勝浦温泉旅館組合の中定俊副組合長(63)は頭を抱えた。勝浦温泉や周辺などでは水害はなかったものの、9月中に宿泊を予約していた観光客の約8割がキャンセルしたといい、10月以降についてもキャンセルが相次いでいるという。
 一連の豪雨被害では、熊野那智大社や那智の滝など、観光資源そのものが被害を受けた。さらに都市圏と那智勝浦町をつなぐ公共交通機関の被害も甚大。鉄道は不通区間だったJR紀勢線白浜-新宮間のうち、26日には勝浦温泉最寄り駅の紀伊勝浦までの運行が再開されるが、特急の運行本数は従来の3分の1以下だ。中さんは「和歌山県南部は全域が被害が大きく今は旅行に行けないと誤解されてしまっている。すぐに客足が戻る見通しは立っていない」と話す。
 紀伊勝浦駅前でも観光客の姿が見られず、閑散としている。駅前で食堂を経営する女性(67)は「今は観光客がほとんど来ない。先行きが分からず不安だ」と話した。
 危機感を募らせた組合などの観光関連団体は今月14日、観光業の早期復旧への支援を求めるため、同県の仁坂吉伸知事に対し、紀勢線の復旧などを求める要望書を提出。組合では今後、大阪と結ぶ観光バスのチャーターを協議するほか、マグロ漁が盛んな地域特性を生かし、資料館の建設といった新たな観光資源の開発も検討しているという。
 中さんは「一刻も早く、元の活気のある観光地の姿を取り戻したい」と話した。



■台風豪雨  「マツタケの季節なのに」奈良・野迫川村も観光客激減
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110923/nar11092322330005-n1.htm
2011.9.23   22:28

 台風12号の豪雨で被災した奈良県野迫川村では、土砂ダムなどの影響で避難指示が出ている北股、立里地区以外はすでに安全が確認されているが、世界遺産の熊野古道に被害が出ており観光客は激減。ホテルではキャンセルが相次ぎ、伝統食品「凍り豆腐」を紹介する資料館にも閑古鳥が鳴いている。「これからマツタケの季節で一番の観光シーズンを迎えるのに」と、関係者は心配している。
 台風12号の影響で9月4日から臨時休業していた同村の「ホテルのせ川」は、14日からホテルの営業を再開したが、登山目当ての団体客などから、予約のキャンセルが相次いだ。
 村内を通って高野山と熊野本宮大社を結ぶ熊野古道・小辺路は、十津川村との村境にある伯母子峠付近が通行不能に。10月には名産のマツタケもシーズンを迎えるが、「どのくらいのお客さんが来てくれるか、マツタケが台風の影響を受けていないかまだわからない」と、ホテル関係者は話す。
 村の伝統食品「凍り豆腐」を製造、販売する「高野豆腐伝承館」でも経営者の松島史和さん(63)が「観光客がぱったりと来なくなった」と嘆く。
 台風12号の影響で数日間続いた停電では、冷凍庫に氷を詰め込むなどして、凍り豆腐を守ったが、客足は遠のいたままで、「観光客が戻る日は来るのだろうか」と心配する。



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