2013年5月22日水曜日

■“観光大国”なれない韓国観光の実態…ぼったくり価格のショッピング


“観光大国”なれない韓国観光の実態…ぼったくり価格のショッピング
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2013年05月21日10時38分 [ⓒ 中央日報]

「汝矣島のサクラ祭りに行くといったのに…」先月23日、タイ人団体観光客が江原道雪岳修練院前のサクラ並木で記念撮影をしている。当初旅行会社は汝矣島のサクラ祭りが含まれていると広告を出したが、江原道の道路周辺で10分の滞在に変えた。   韓国を訪れる外国人観光客が昨年1000万人を超えた。特に中国と東南アジアからの観光客が毎年急増している。K-POPなど韓流ブームで観光産業は韓国のブルーオーシャンになる可能性も見える。だが、観光客さえ来ればという大雑把な格安観光が「観光大国」への跳躍を妨げている。本紙取材チームが観光ガイドのアルバイト生として格安旅行に同行し構造的要因と実態を暴いた。

  「お客は喜ばないが、収益を出さなければならないので特産物よりも“コミッションシステム”が構築されたところを中心に行く」。

  9日、ソウル・鍾路(チョンロ)にある旅行会社の代表はこのように打ち明けた。代表は「一般的に1万5000ウォンで売っているプルコギを格安商品では8000ウォンに合わせる」と話した。彼は15年間旅行会社を運営し日本や中国、東南アジアの観光客を対象に格安旅行商品を売ってきた。代表は「ホテル単価を低くするため議政府(ウィジョンブ)や安山(アンサン)などソウル郊外のモーテルを選ぶほかなく、観光地も無料で入場できるところだけ選ぶ」と話した。「格安旅行はアジアの観光客が90%を占める。アジア人は欧州人と違い、ツアー自体よりショッピングにお金を多く使うのでこのような営業方式が続いている」と付け加えた。

  ◆景福宮観光は30分…紫水晶ショッピングは90分

  取材チームは健康食品を売る外国人専用観光記念品販売店(ミニ免税店)に観光客に混ざって入ってみた。韓国人の入場が遮断されているところだ。東橋洞(トンギョドン)の店ではケンポナシ製品が1箱48万ウォンで売られていた。インターネットで検索した韓国人参公社製品の価格は19万6000ウォン。2倍を超えるぼったくり料金だった。ここである中国人観光客に会った。何を買ったかという質問に彼は「この製品は大統領表彰まで受けたというから韓国人もみんな食べているのではないか。価格は高いが肝臓に良いというので買った」と話した。観光地を移動する中間にもガイドはバスの中でのり、干し柿、イチゴなどを売った。ひとつ売れるたびに3000~1万ウォンの手数料を得られる。

 スケジュールの相当部分をショッピングセンターで浪費しており、実際の観光は表面だけに終わった。23日は南怡島(ナミソム)と雪岳山(ソラクサン)、24日は江原道江陵(カンウォンド・カンヌン)から京畿道竜仁(キョンギド・ヨンイン)エバーランドを経てソウルに戻る強行軍だった。ほとんどのスポットでは30分~1時間30分の時間が与えられた。解散したり集まったりするのにかかる時間を除けば、素早く“証拠写真”を撮って再びバスに戻らなければならなかった。景福宮(キョンボックン)、青瓦台(チョンワデ、大統領府)、南山(ナムサン)などソウルを観光した25日は本末転倒だった。高麗人参や化粧品などショッピングには30~40分が配分されていたが、景福宮、青瓦台、南山の観光は20~30分で写真だけ撮って後にした。26日の紫水晶ショッピングは90分もかかった。

  ◆店からのコミッションが唯一の収益源

  ホテルが都心から離れた郊外だったこともスケジュールを窮屈にさせた。彼らはソウル観光をしながら九老区禿山洞(クログ・トクサンドン)のモーテルで泊まった。ある観光客は、「夜に自由観光をしたかったが禿山洞周辺には何もなかった」と話した。バスの運転手は、「ほとんどが水原(スウォン)や安山など京畿道に泊まるのと比べれば良い方だ」としながら、「一部モーテルはシャワー施設が透けて見え観光客が恥ずかしがったりもする」と話した。

  格安観光が盛んに行われるのは観光客を誘致するために旅行会社間で出血競争を行うためだ。業界によると韓国の旅行会社は観光客を集めた海外の旅行会社の下請けとなる形で運営される。観光客が支払うお金は全て現地の旅行会社が持っていく。韓国の旅行会社が旅行経費を負担するほかない構造だ。その結果格安旅行会社は観光客1人当たり30万~70万ウォンの損失を抱え込んだまま始まる。旅行会社としては土産物店などから受け取る「ショッピングコミッション」が唯一の収益源だ。ある格安旅行会社関係者は、「コミッションを自制しろという文化体育観光部の指針もあるが、会社がつぶれないためには無視しなければならない。お客が嫌でも反強制的に連れて行くほかない」と話した。

◆無資格ガイド増え歴史わい曲も

  韓国文化観光研究院のシム・ウォンソプ観光政策研究室長は、「格安観光は原価に満たない価格でお客を募集する現地旅行会社とこれを下請けとして受ける韓国の旅行会社の構造的問題から発生する。観光商品を改善するには該当国の政府と韓国政府が協議して解決していかなければならない」と話した。

  無資格観光ガイドが幅をきかせるのもこのような理由からだ。旅行会社の立場では上客である中国人観光客のショッピングを誘導する能力に優れた観光ガイドを好む。中国人は昨年1人当たり支出経費が2153ドルと外国人観光客で最も多かった。ある中国専門旅行会社の関係者は、「中国の大型連休期間に観光客が押し寄せれば中国語さえわかればガイドに使う」と話した。韓国観光公社のユ・ハンスン次長は、「韓国の歴史をよく知らないガイドを通じた歴史わい曲も激しい」と話した。

  本来ならガイドの説明が必要なところではガイドのサポートを受けるのが難しかった。25日午後の景福宮訪問を控え、ガイドは「景福宮ではガイド資格の取り締まりが厳しくなった。もしかして問題が起きるかもしれないので同行してほしい」と取材チームに話した。観光地に立ち寄るたびに熱心にわめいていたガイドも無資格だったのだ。この日の景福宮観光は25分で終わった。

  ◆クルーズなどVIP観光商品開発すべき

  しかし政府は現在活動中の観光ガイドの数も把握できずにいる。1994年に法律が変わり観光ガイドが登録を更新する義務がなくなったためだ。現在資格を持つガイドは英語5295人、中国語4033人だが、彼らが現在どれだけ活動中なのかはわからない。ベトナム語ガイドに登録されたガイドは1人にすぎない。昨年ベトナムからの観光客は11万人。数字だけで見ればベトナム語観光ガイド1人が毎日300人の観光客を相手にしなければならない。無資格ガイドに対する処罰規定がないのも問題だ。

  韓国観光公社のイ・チャム社長は、「中国人がお金を多く使いながらも格安で観光に来る理由はショッピングに集中するためだ。クルーズやグルメ観光などVIP商品を開発して余裕のある層の韓国訪問を誘導したい」と話した。



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