史上最悪の就職難、それでも「面接すっぽかし」は増加=新卒者の職業観が変化―中国
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2013年5月20日 16時32分
2013年5月20日、中国は今年「史上最悪の就職難」と言われている。そんな中、中国の就活サイト「前程無憂」(Nasdaq:JOBS)が新規大学卒業予定者(以下、新卒者)の「面接すっぽかし」に関する調査報告を発表した。「すっぽかされ率」について「75%」と答えた企業が25%以上、「75%以上」の企業が2割近くとなるなど、同率は過去最悪を記録した。新卒者のすっぽかしの主な理由は、「受ける面接が多すぎるから」だった。北京晨報が報じた。
同調査は、オンライン投票を通して15日間行われ、企業2357社と新卒者の大学生1230人が回答した。調査結果では、25%の企業が、「すっぽかされ率」が75%に達しているとしている。うち2割近くの企業は、4人に通知を出しても3人は来ないと答えた。
■すっぽかし理由1「面接のダブルブッキング」
就職難にもかかわらず、面接をすっぽかす新卒者が多いのには複雑な要因がある。中でも、「受ける面接が多すぎる」というのが、新卒者側と企業側、両者が上げた理由で、平均約25%だった。「一本釣り」ではなく、「投げ網式」というのが、90年代生まれの新卒者が取る求職スタイルだ。ただ、インターネットへの依存度が高まり、現実の社会において人とうまく接触できない新卒者が増加している。新卒者25人は電話での調査に対して、「面接の通知を受けたその時はどのように答えたらいいかわからず、結局面接に同意してしまった。それでも、ダブルブッキングしていたため、面接の時間をうまく手配できなかった」、「後になって会社のある場所をあまり知らないことや遠いことが分かり、あきらめた」などと答えた。
■すっぽかし理由2「自分がより好みしているだけ」
回答した新卒者の20%以上が「仕事を探すのはそれほど難しくない」と答え、自分がより好みしているだけと答えたのは注目に値する。より好みの背後には、仕事に対する関心の欠如がある。新卒者の6割以上が、「求職のためには両親の助けが必要」との見方を示した。
ある新卒者は取材に対して、「就職できる企業が2社あった。でも、親がもっと給料の高い仕事が見つかると言うのでやめた。焦って探さなくても、チャンスはあるはず」とし、「理想の仕事はファッション雑誌の編集者。でも望みはほとんどない。それ以外の仕事ならどうでもよく、親の言うことを聞く。いい仕事が見つからないのなら、しないほうがいい」と語った。これは、多くの新卒者や保護者の間で見られる姿勢だ。そのため、「自分に合った仕事でない」が、新卒者が面接をすっぽかす理由にもなっているのだ。
■すっぽかし理由3「待遇が悪い」
一方、新卒者の25.2%が「企業側が提示した給料が少なかった」ため、2次面接には行かなかったと答えた。しかし、企業側のうち、「提示している給料が低い」と回答したのはわずか10.1%で、両者の考えには隔たりがあることも分かっている。中国の経済成長の速度が鈍化していることを背景に、企業の経営スタイルも転換期を迎えており、給料の大幅な「上方修正」はほとんど期待できない状況になっている。それに対して、90代生まれの若者の自己意識は高まる一方で、比較することに長け、仕事の環境や将来性、体裁などが仕事を選ぶさいに考慮する重要な要素となっている。
統計によると、今年、中国全土の新卒者は過去最高となる699万人に達する見込み。北京や上海などの一線城市の新卒者の就職率は今の時点で、3割にとどまっており、同じく就職難となった世界金融危機の時期をほうふつさせる。しかし、ヒューマンリソースの専門家である「前程無憂」の馮麗娟(フォン・リージュエン)主席は、「2009年初期、雇用者は経済情勢の成り行きを見守っていたため、新入社員の募集枠を縮小させるというのが安全策だった。一方、現在、就職率が低下しているのは主に、若者の就職観に変化が生じているからだ。彼らの仕事に対する態度や給料に対する期待などは明らかに変化している」と指摘。「新卒者は自分の姿勢を改め、仕事の選択方法を再検討し、実際に働く過程で自身の職業観を修正しなければならない」とアドバイスしている。
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