2013年5月22日水曜日

■企業も導入!「痩せたら賞金」ダイエット


企業も導入!「痩せたら賞金」ダイエット
Biggest Losers Win Money
減量に成功したら報酬をもらえるプログラムがアメリカで人気上昇中
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/05/post-2932.php
2013年5月20日(月)18時09分
イライザ・シャピロ

足取りも軽く 賞金をもらえるなら単調な運動にも精が出る?
[2013年5月14日号掲載]

 キャベツスープ・ダイエットの次は、野菜ジュース・デトックス......。流行のダイエット法はいろいろ試したけれど、まだスリムになれないというあなた、いまアメリカで大流行のダイエットに挑戦してみては? 名付けて「賞金制ダイエット」。スリムな体を目指す報酬付きプログラムが、今まで信奉されてきたダイエット法に取って代わろうとしている。

 これも新しい医療保険制度改革法のおかげだ。この法律の下で企業や保険会社は、減量や禁煙など健康を保つ努力をした社員に今までより多くの金銭的な見返りを与えることができる。

 しかも最近の研究によれば、職場でのこうした取り組みは他人と競わせたほうが効果は上がる。ミシガン大学の研究チームは、減量に取り組んだ2グループの社員を比較した。グループAに所属する社員は、減量に成功すると、100ドルもらえる。グループBは5人ずつのチームで月500ドルを成果に応じて奪い合うので、各自の取り分に差がつく。効果が大きかったのはグループBのほうだった。

 賞金付きの健康増進プログラムを提供する企業も増えている。09年創立のヘルシーウェイジ社もその1つ。創設者デービッド・ロッデンベリーのモットーは「健康には価値がある」だ。

家族ぐるみで挑戦するチームも

 健康増進産業にも価値が出てきた。ヘルシーウェイジの顧客は500社を超え、セブン・イレブンやオフィス・デポなど有名企業も参加している。

 ヘルシーウェイジの減量プログラムは3つある。「10%チャレンジ」は自分の意志に賭けるプログラム。150ドルを払い、6カ月間で体脂肪を10%減らせれば300ドルもらえる。「肥満度指数(BMI)プログラム」では、1年以内に正常値になれば最高1000ドルを受け取れる。

「マッチアップ」プログラムでは、5人ずつの2チームが対戦。減った体重の合計が上回ったチームが1万ドルを手にする。「高校の体育の授業とは逆」と、ロッデンベリーは言う。「みんな、できるだけ太った人にチームに入ってもらいたがる」

 ユタ州の住宅ローン会社で働くジョン・ウィッカーは約180キロあったが、ヘルシーウェイジのプログラムに家族ぐるみで参加して約35キロ減らし、賞金2000ドルを手にした。家族全体では計100キロの減量だった。

 ウィッカーはテレビの減量リアリティー番組『ザ・ビゲスト・ルーザー』にも出演したが予選で敗退し、ダイエットにやる気をなくしていた。「私には賞金というニンジンが必要だった」と、ウィッカーは言う。

エイズ予防にも効果?

 減量以外でも、現金は健康増進の動機付けに有効かもしれない。学術誌ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ヘルス・エコノミクスに最近発表された論文によると、メキシコシティの男性同性愛者を対象に、年にいくらもらえればHIV(エイズウイルス)の検査を受け、安全なセックスの講座に参加する気になるかと尋ねたところ、平均288ドルという数字が出た。

 HIVの感染予防をする人に金を払う制度ができれば、医療負担は大きく減るだろう。メキシコではHIV感染者1人の治療に年7000ドルを使っている。

 金で釣るのはおかしいという意見もある。「部屋のお片付けをした子供にキャンディーを与えるようなもの」と、全米科学健康評議会のジョシュ・ブルームは言う。「たった100ドルで減量できるなら、もらわなくてもできるはず。人の生活はそんなに安いものなのか?」

 だが、人間の決断がいつも理性的とは限らない。時には、たった100ドルが大きなきっかけになることもある。



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