2013年5月16日木曜日

■征服の食文化。あなたの舌も、マクドナルドに植民地化された


征服の食文化。あなたの舌も、マクドナルドに植民地化された
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2013年4月11日木曜日 Darkness - ダークネス



ハンバーガーの安売りをして勝ち上がってきた日本マクドナルドだが、最近はいくつかのキャンペーンが空回りして売上増に結びついていない。

価格の引き上げや、メニューを隠してセットを買わせるような姑息な対応も、非難の的になっている。

しかし、世界中でマクドナルドは普通に受け入れられており、このような嫌われ方は日本だけなので、もしかしたら日本の経営陣に問題があるのかもしれない。

マクドナルドは、それが受け入れられたとしても、しょせん身体に悪いジャンクフードである。ジャンクフードは食べれば食べるほど人体に悪影響を及ぼすことになる。

実際、マクドナルドのみならず、ファーストフードというジャンルは人間の健康を損なう可能性が高い。

食品添加物が山と盛られ、大量の砂糖漬けの炭酸飲料がセットになり、トランス脂肪酸がたっぷりと含まれた油が使われているからだ。

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ファーストは客のためにあるわけではない

ファーストフードはフード(食品)と名が付いているが、実際には「工業製品」に近い。

それは、世界中どこでも同じ味、同じ大きさ、同じ食材で構成されていることを見ても分かる。

現地の文化や味覚は一切関係がない。工業製品が画一化された製品を作り出すのと同様に、マクドナルドも画一化された工業製品のような「もの」を作り出して、提供している。

単一の味、単一の製品を作り出しす理由は、もちろん工業製品と同じ理由だ。大量生産ができて、コスト削減が可能になるからだ。

また、大量生産することによって食品を提供する方法がマニュアル化され、回転率を上げることも可能になる。そして、世界中で素早い展開が可能になる。

その結果、企業が儲かる。

ファーストフードの「ファースト」は、「迅速」「早い」という意味だ。

多くの人々は、「迅速」に食べ物を提供してくれるのは、「客に対するサービスのためだ」と思い込んでいるが、実際にはそうではない。

さっさと提供して客をさばき、少しでも回転率を上げて儲けるためである。

工業製品を大量に売りさばくために、ありとあらゆる効率化を追求した結果、客をベルトコンベアーのように迅速に扱う工夫がなされたのだ。

客のためのサービスだと喜ぶのはいいが、実際には回転率を上げる店側の戦略なのだから、あまり乗せられない方がいい。

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子供の取り込みと、絨毯爆撃のような宣伝

ところで、工業製品として食品を売りさばくためには世界中で、同じ味、同じメニューを大量生産する必要がある。

しかし、世界は広くてそれぞれの民族は好む味覚、好まない味覚というものがある。当然、マクドナルドのような製品の味を好まない民族もいるはずだ。

通常は、こういった民族には「売れない」で終わってしまうのだが、マクドナルドはここでも強引に売るために、いくつかの仕掛けを戦略的に行っている。

その1つはターゲットをまず子供に絞る仕掛けを行っていることだ。

マクドナルドのあの店のデザインや色使いや宣伝は、大人をターゲットにしているのではない。子供が好むようにデザインされている。

また、子供が好むようなオマケやグッズを提供している。なぜ、子供をターゲットにするのか。それは、味覚というものは、子供のうちに決まるからである。

子供の頃に何度もマクドナルドを食べてそれに慣れていくと、マクドナルドが味覚の基本になる。そして、人は子供の頃に食べ慣れた食品は、大人になっても好んで食べ続ける。

つまり、子供を「洗脳」すれば、その民族が今までどんな味覚であっても関係ないのである。

その国に進出して数年も経つと、子供たちはすっかり「マクドナルド味覚」に慣らされて、それが基本になっていく。

では、大人はどうするのか。マクドナルドのもうひとつの仕掛けは「大量の宣伝」だ。

まるで絨毯爆撃でもするかのように、大量のコマーシャルをその国で打つ。そうやって、大人も「洗脳」する。

途上国に行けば、その露骨であからさまな実態がよく見える。テレビを付けると、まさに洗脳コマーシャルの嵐になっているのである。


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ファーストフードは「征服の食文化」

通常の料理は、現地の人々に受け入れられるために、料理そのものが現地に合わせて変わっていく。食べ物が現地に融合するのである。

ところが、マクドナルドはそうではない。

大量生産を優先するために現地の文化も味覚も考慮しない。逆に、大量のコマーシャルと子供を狙った宣伝で、人々の味覚を変えてしまうのだ。

食べ物を変えずに、人々を変える。

ファーストフードは「征服の食文化」である。まるで狙った国を植民地にするように、人々の舌を支配していく。

人々は一度その味に慣らされたら、あとはずっとその企業の忠実な奴隷になる。

忠実な奴隷になるように、食べ物・飲み物にも人々を虜にするための油脂と、カロリーと、砂糖をたっぷりとぶちまけられて、中毒になるように仕掛けられている。

ファーストフードを食べ続けるとやめられなくなるのは、中毒になるように仕掛けられているからで、気のせいではない。

そうやって、どっぷりとマクドナルドに浸っていると、最終的にどうなるのか。ハンバーガーはいろいろあったとしても、マクドナルドで慣れた人は、「それでないと嫌だ」となっていくのである。

最近、日本マクドナルドが失速しているが、これは日本人が覚醒したということなのだろうか?

それが身体に悪いジャンクフードであり、一種の工業製品だから食べるのをやめようと思うようになったのだろうか。

そうであれば驚くべき事態だが、恐らくそうではない。

売上は落としたと言えども3000億円近い。たかがハンバーガーでこの売上なのだ。

単に日本マクドナルドの経営に失策があっただけで、根本的な部分では日本人の舌は依然としてファーストフードに支配されている。

現に、あなたの舌も、もう征服されているはずだ。



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