2013年5月10日金曜日

■人民日報、沖縄の日本の主権に異議


人民日報、沖縄の日本の主権に異議
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323605404578471653496381668.html?mod=WSJ_hp_mostpop_read
CHINA REAL TIME REPORT2013年 5月 09日 09:19 JST
By BRIAN SPEGELE

 東シナ海の無人島の領有権をめぐる中国と日本との紛争が長期間続く中で、中国共産党機関紙・人民日報は8日、米国の防衛戦略上以前から重要な存在となっているもう一つの島、沖縄への日本の歴史的主権に疑義を呈した。

 人民日報はその9ページ目で、沖縄を含む琉球列島に対する日本の歴史的立場の「再検討」を要求する有力国営シンクタンクの研究者らの長文で回りくどい論文を掲載した。研究者らによると、中国は清朝(1644—1911年)に対する外国の侵略によって弱まり、好戦的な日本の広範な地域への侵略に十分に反抗することができなかったという。論文は「琉球に関する歴史の未解決問題は再検討すべき時がやってきた」と指摘した。

 人民日報は最も影響力があるとされ、これを長期間読めば、国内、国際問題での同国指導部の考えをうかがい知る上で役立つと見られている。

 それにもかかわらず、個々の論文は必ずしも政治指導部の見解を反映しておらず、北京の当局者は8日、この論文が政策変更の可能性を示すものであることをうかがわせる発言をほとんどしなかった。外務省の報道官はこの日の定例ブリーフィングで、日本が琉球列島に正統な主権を持っていると中国政府が考えているかどうか述べなかった。


 日本政府はこの論文の主張を退け、菅義偉官房長官は「(沖縄が)歴史的、国際的に日本に帰属することに疑いない」とし、「全く問題外だ」と述べた。

 人民日報の論文は微妙なタイミングで現れた。日本と中国の間では、東シナ海の無人諸島である尖閣諸島、中国名で釣魚島の領有権をめぐって昨年から緊張が高まっている。この以前からの領土紛争は、日本政府が昨年9月、同諸島を民間所有者から買い上げることを決めたのに伴い再燃した。

 中国は、日本政府の動きを中国の領土に対する直接的な挑戦と見ており、その後の日本からの激しい言辞によって中国では反日感情が広範に高まって、一部の都市での反日デモ・暴動につながった。

 人民日報の論文—ほとんどが尖閣諸島に焦点を当てている—は沖縄が中国の一部だとは書いていない。論文執筆者の1人であるLi Guoqiang氏は8日、ウォール・ストリート・ジャーナルに対して、「われわれの言う『再検討』は琉球列島が中国に帰属するとか、これを中国に帰属させるべきだということでは全くない」と指摘した。

 中国社会科学院の研究者である同氏は、現在の領土紛争を受けてこの論文を書いたとし、「われわれは事実を指摘し、琉球列島に関して問題があるとするなら、釣魚島に関して語り始めることさえできない、と日本政府に言っているのだ」と話した。

 第2次大戦後、沖縄は米国のアジア太平洋地域での軍事作戦の重要な基地となり、長期にわたる米日安全保障同盟の土台だ。しかし、米軍は以前から、沖縄が日本での米軍プレゼンスのあまりに多くの部分を負担しているとの地域住民の抵抗に遭っている。米国と日本は最近住民に対して、中国と北朝鮮との間の緊張が高まっていることや、米国の同地域の防衛戦略で沖縄が果たしている役割を指摘して、その防衛上の役割を強調した。

 琉球列島はかつて独立王国で、19世紀には中国と日本の両国の属国だった。ただ、両国の歴史家は細かな点では意見を異にしている。列島は19世紀末に正式に日本に併合された。

 中国で人気のマイクロブログ、新浪微博では、「天下のものは何でもわれわれのもの」「北朝鮮同様に混乱しているのか? モンゴルも取り返せばいい」など、論文を冷笑するコメントが見られた。



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