【取材日記】羅老号の授業料2000億ウォンの教訓
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2012年10月29日09時23分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
宇宙ロケット「羅老(ナロ)号」(KSLV-1)が小さなゴムリングひとつに足を引っ張られ打ち上げが延期されている。現在の状況では3度目の打ち上げは来月中旬以後になりそうだ。ゴムリングはロケットに注入するヘリウムが漏れないようにふさぐ役割をする。コインよりやや大きい。すぐに取り替えれば良いように見えた。技術陣が27日から精密検査をしているが、精密点検と打ち上げ手続きなどを総合してみると簡単な問題だけではないようだ。
小さなゴムリングの裏には羅老号打ち上げがロシアの言いなりになるほかはない技術弱小国のわびしさが投影されている。コイン大のリングひとつも韓国の技術陣が主導的に取り替える権限がない事実だ。1段ロケットの何が誤ったのか内部をのぞいて見ることは考えられないことだ。2002年に韓国がロシアと結んだ羅老号共同開発契約書で1段ロケットは韓国側に手が付けられないよう規定したのがあだとなった。ロシアは技術流出を理由にそうした条項を主張し、関連技術がない韓国は泣き寝入りで「イエス」というほかはなかったのだ。
このような不平等条項は1度目と2度目の打ち上げ失敗原因の分析時も韓国研究陣をみじめにさせた。2008年の1度目の打ち上げ失敗原因を分析しようとしたがロシアはロケットの飛行記録を渡さなかった。2009年の2度目の試みで空中爆発した時も済州道(チェジュド)沖の公海上に墜落した残骸さえ回収できなかった。失敗原因と責任所在の究明にもロシアの一方的な主張をほとんど受け入れたり依存した。そうすると「韓国はロシアのいいカモだ」「韓国の科学者はかかしだ」という苦言が出てきた。
韓国が羅老号に10年間余りに費やしたお金は8500億ウォン(約618億円)を超える。羅老宇宙センターの建設費3314億ウォン、羅老号開発費5205億ウォン(ロシアの1段ロケット約2000億ウォン含む)などだ。すべて国民の大切な税金だ。韓国の土地で、韓国の技術で、韓国が打ち上げて、世界10カ国目の「スペースクラブ」に加入しようという国民の念願が込められている。宇宙先進国が年間数兆ウォンを宇宙開発に注ぎ込むという点を考えれば予算ももっと増やさなければならない。
いま韓国の研究陣に必要なことは、たゆまぬ挑戦精神と負けん気だ。特にロシアに支払った2000億ウォンの授業料の教訓を胸に深く刻まなければならない。1段ロケット技術を横目で見るしかなくさせた韓ロ宇宙技術保護協定は韓国の技術力が劣るために起きたものだ。15万個を超える羅老号の部品のうち3万個余りは韓国の手で作ったのだ。打ち上げは成功しなければならないが、さらに重要なのは結果に関係なく宇宙技術弱小国のわびしさを洗い流せる独自技術開発にまい進することだ。
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