2012年11月2日金曜日

■パナソニック、ソニー、全日空など 、尖閣問題での中国販売減の予測を表明


パナソニック、ソニー、全日空など 、尖閣問題での中国販売減の予測を表明
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_540881?mod=WSJFeatures
2012年 11月 2日  11:56 JST

 【東京】テレビから化粧品に至るまで、さまざまな製品を扱う日本の有力メーカー各社の取締役たちが、最も恐れていた事態を明らかにし始めている。領有権問題をめぐる日中両国の対立から受けるコストだ。このコストは、世界第2位の経済大国である中国の景気減速と相まって、日本のメーカーの売上高に打撃を与えており、その減少額は今年、数十億ドルにも達する見込みだ。

トヨタ車に貼られた「日本車でも心は中国」という趣旨のステッカー
 中国の消費者が日本製品のボイコットを止める兆しはみられない。日本政府が9月に東シナ海に浮かぶ尖閣諸島(中国名:釣魚島)を購入したのをきっかけに反日感情が続いているからだ。

 この紛争のために企業が失う収入の予測を企業が出し始めた。パナソニックやソニー、全日本空輸(ANA)などだ。

 パナソニックは31日、7-9月期の損益が90億ドルの赤字になったと発表したが、その際、2013年3月期下期の中国での販売に問題が生じるだろうと警告した。また、数少ない好調部門だった家電で、売上高が尖閣諸島をめぐる対立を理由に約1000億円(約13億ドル)減少するとの見通しを示した。

 パナソニックの財務担当責任者である河井英明常務は31日の決算発表の際、中国での不買運動の影響は下期も続くと述べた。

 またソニーは1日、中国の消費者による同社製品の不買と日本経済の全般的な弱さが同社の売上高に与える影響が約300億円になるとの見通しを示した。

 一方、全日空は、9月に中国で尖閣購入反対デモが一時的に暴徒化した直後、中国路線のツアー客の予約キャンセルが相次いだことから打撃を受けた。同社は31日、中国における反日デモが国際線の旅客収入にもたらす影響を考慮し、営業収入がこれまでの見通しより約300億円少なくなるとの予測を出した。

 しかし、企業にかかるコストの全容は不明だ。トヨタ自動車や日産自動車など、中国での売り上げが大きい企業のいくつかが、まだ7-9月期の決算と最新の通期見通しを発表していないからだ。トヨタは1日、10月の中国での販売が前年同月から半分近くにまで落ち込んだことを明らかにした。トヨタは来週5日、日産は6日に四半期決算を発表する。

 化粧品メーカーの資生堂は、通期の海外売上高見通しを60億円引き下げた。うち40~50億円が中国に起因するという。同社は反日デモが始まった9月の中国の売り上げが10%以上減ったことを明らかにした。

 一部のメーカーはその影響を金額ではなく販売台数で表している。輸出型企業の代表格であるキヤノンは、この問題を受け、今年(暦年)の小型デジタルカメラの世界販売台数がこれまでの予測より50万台減り、1900万台になる公算が大きいことを明らかにした。

 同社の田中稔三最高財務責任者(CFO)は先月の記者会見で、中国の消費者が日本製カメラや消費財をボイコットしているほか、中国の政府機関も日本企業が製造したオフィス機器の購入を中止していると、状況をかなりあけすけに説明した。

 その上で同CFOは利益見通しについて、「現在の状況が年末まで続くという最悪のシナリオに基づいている」と述べた。



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