【コラム】韓国の「浅はかな教育熱」
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2012/09/23 07:36 朝鮮日報
「韓国の外国人学校には南米の児童・生徒たちがなぜこんなに多いのか?」。数カ月前、韓国に滞在中の英国人が投げ掛けた質問だ。英国人によると、自分の娘が通うソウル市内の外国人学校には「見た目は韓国人、国籍は南米人の児童・生徒」がたくさんいるという。この学校は韓国国内の著名人の子女などが通う学校として有名だ。
この英国人が疑問に思っていたことは今回、外国人学校の不正入学をめぐる検察の捜査で明らかになった。国籍を変えて外国人学校に入学していた韓国人の児童・生徒が一斉に摘発されたからだ。子どもの国籍をホンジュラスやニカラグアに不正に変更し、外国人学校に入学させた疑いを持たれている保護者たちの中には、財閥グループの前会長の嫁、財閥の会長の娘、病院長夫妻、大型法律事務所の弁護士などが含まれていた。
外国人学校は、韓国で働く外国人の子女教育のために設立された。全国で51校あり、そのうち33校が首都圏にある。現行法上、外国人学校への入学資格は(1)両親のうち片方が外国人である(2)韓国人の場合は外国で3年以上居住した者―に制限される。
しかし、この条件を満たさない児童・生徒もこれまで違法を含むさまざまな方法で外国人学校に入学してきた。ソウルに住むある生徒(13)もそのようなケースだ。5年前、B小学校に通っていたこの生徒は、ある日突然学校から消えた。そして数カ月後、南米のある国家の国籍で外国人学校に転校した。
別の方法もある。ソウルにあるC予備校(保護者の間では「学校」と呼ばれている)は、米国の教育課程をそのまま取り入れていると宣伝する。授業は英語で行われ、同校に通っている生徒の大部分は韓国の学校を自主退学し、ここで1―2年間英語を学んだ後、再び韓国の学校に戻るという。
ごく一部の富裕層の児童・生徒と保護者の話だというが、これが韓国の教育の一面だ。社会的に影響力のある人たちの教育観からは、どんなに目を見開いて探してみても、他人に対する配慮や共同体のために悩む様子は見られない。極端な利己主義と排他性、虚栄が教育という名の後ろに隠れている。
最近、学校の保護者たちをがっかりさせたことは、これだけではない。2010年には米国の大学入試資格試験SATの問題を韓国の私教育業者(学校以外の塾や予備校などを指す)が流出させ、大きな波紋を呼んだ。自分たちが教えている学生の点数を上げようとして行ったことだというが、韓国の「浅はかな教育熱」を国際社会に広く知らしめた。昨年末、ソウルのある名門大の入試に合格した学生は、高校時代に障害を持つ生徒に性的暴行を加えた事実を隠していたことが発覚し、結局入学を取り消された。この学生の担任が書いた推薦書には「人格が良く、ボランティアを積極的に行った」と書かれていた。
『文明の衝突』の著者、サミュエル・ハンティントン氏は1960年に似たような経済水準だった韓国とガーナが、数十年後に経済力で非常に大きな差がついた理由の一つとして、韓国の教育を挙げた。バラク・オバマ米国大統領は、ことあるごとに韓国の教育熱を褒めたたえた。しかし、彼らが今の韓国社会を揺るがす歪曲(わいきょく)された教育熱を知っても、同様の評価を下すだろうか。
「うちの子さえ成功すればよい」という極端な自己中心主義、地球の裏側まで国籍を求めて飛ぶ虚栄心と誤った子どもへの愛、姑息な方法や詐欺が通用する入試…。韓国の教育が捨てるべきもの、克服すべき課題はあまりに多い。
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