中国・韓国への旅行者が急減
http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/14195/?mod=Center_jrt
2012/9/26 17:05
大手旅行会社が中国、韓国向けツアーのキャンセル対応に追われている。JTBは尖閣問題を背景にキャンセルが増加したことから中国向け団体旅行の予約数が昨年の2割減になったという。日本旅行も同様に中国向け団体旅行のキャンセルが相次いでおり、10-12月の予約状況は前年の半分以下になっている。
日本政府観光局(JNTO)によると、日本からの海外渡航者数は2011年が1700万人。訪問先で最も多かったのが中国の365万人で、全体の約20%を占めた。海外から日本を訪れた外国人では、620万人のうち中国からの渡航者数が104万人で韓国に次ぐ第2位だった。
北京オリンピックが開催された2008年を除き漸減傾向だったとはいえ、中国は最大の「お得意先」だっただけに、同国との関係悪化は旅行会社にとって頭の痛い問題だ。中国から日本への渡航の減少に関しても、日本国内での消費にも影響がありそうだ。
一方、中国と同様に日本との関係が悪化している韓国に関しても旅行需要への影響が懸念される。2011年の日本からの渡航者数が328万人。逆に、韓国から日本への渡航者数は165万人だった。日本発の中国・韓国への渡航者数、中国・韓国から日本への渡航者数は、ともに全体の約4割に上る。
株式市場では、旅行会社のエイチ・アイ・エスの株価が8月下旬から下落トレンドとなり、2月28日に付けた年初来安値2100円も一時視野に入った。岡三証券・日本株グループ長の石黒英之氏は「中国や韓国との関係悪化で旅行意欲の減退から売られた可能性もある」と指摘する。
思いがけない事態に、旅行各社は状況を見守る状況が続きそうだ。日本旅行では、沖縄など一部の国内旅行への振り向けに期待感を示す。業界団体の日本旅行業協会(JATA)では、「東南アジアなどに行き先を変更する旅行者もいるが、中国に関しては文化遺産を訪ねたい人も多く、両国の関係改善が待たれる」としている。
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