【社説】国際的なラーメン回収騒動を引き起こした食薬庁
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2012/10/30 09:35 朝鮮日報
日本、中国、台湾の保健当局は26日から28日にかけ、韓国で発がん性物質「ベンゾピレン」騒動の原因となった農心の「ノグリ」など、同社の即席ラーメンの回収に乗り出した。韓国食品医薬品安全庁(以下、食薬庁)は今年6月に行った調査で、韓国の食品加工メーカーD社製のかつおぶしから基準値の最高5倍のベンゾピレンが検出されたことを受け、これをスープの原料として使用していたラーメンを25日から回収した。3カ国・地域で下された回収命令は、食薬庁によるこの対応を根拠に取られた措置だ。ベンゾピレンは世界保健機関(WHO)によって第1級発がん性物質に指定されている。
問題の発端は、野党議員が所持していた資料を根拠に、あるメディアが23日付で「農心のラーメンからベンゾピレンが検出された」と報じたことにあった。このニュースが報じられた直後、食薬庁は「検出されたベンゾピレンの量は健康に問題のないレベル」と説明し、回収の必要はないとしていた。食薬庁は6月にD社のかつおぶしから基準値を上回るベンゾピレンが検出された際、問題のかつおぶしを使用していた農心のラーメンスープについても検査を行った。その結果、国民が一生に食べる即席ラーメンを全て問題のラーメンと考えても、ベンゾピレン摂取量はサムギョプサル(豚の三枚肉)を焼いて食べたときに摂取する量のわずか1万6000分の1だということが分かった。それにもかかわらず食薬庁は、国政監査で野党議員が安全性の問題について執拗(しつよう)に追及すると、農心に対し問題のラーメンを回収するよう指示した。
農心は今年6月、食薬庁から問題のスープにベンゾピレンが含まれている事実について連絡を受けた直後、そのスープの使用を直ちに中断。しかし、消費者の健康に対して最大限に配慮すべき食品メーカーなら、その時点でベンゾピレンが検出された事実を公表し、科学的な資料を提示して健康に害がないことを説明した上で、それでも納得されない場合には問題の商品を自ら回収すべきだった。
食薬庁は国民の健康に害を及ぼす食品の存在が確認された場合、直ちにその食品の流通を遮断しなければならない。しかし逆に、健康に何の問題もないことが確認されたときは、国民に正しい情報を伝えて安心させるべきだ。その際、たとえ国会議員が追及したとしても、自分たちの信念に基づいてしっかりと対応しなければならない。食薬庁に博士の学位を持つ研究者が600人もいるのはそのためではないか。
国民は食品の安全性に対し非常にデリケートだ。たとえ人体に害がないとしても、発がん性物質が含まれているというニュースは一瞬にして広まり、国民はその商品の購入を手控え、メーカーは致命的な打撃を受けてしまう。このような問題は、これまでも幾度となく発生してきたが、食薬庁は何の教訓を得ることもなく、今回も国際的なラーメン回収騒動を引き起こした。食薬庁の対応は非常に情けないとしか言いようがない。
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