■<赤龍解体記>(89)温首相親族の蓄財報道 内部闘争が白熱化
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/10/html/d66482.html
(12/10/29 14:05) 大紀天
【大紀元日本10月29日】米紙ニューヨーク・タイムズは26日、中国の温家宝首相の母親や妻、弟、長男ら親族が計約27億ドル(約2150億円)相当を蓄財したと報道し、大きな波紋を呼んだ。
記事が掲載された数時間後、前日に人民代表の資格が剥奪された薄煕来氏に対する刑事捜査が開始されたと国営新華社通信は報じた。この行動は、ニューヨーク・タイムズの報道に対抗する構えとなっている。
「薄煕来事件」以来、温首相は同事件を徹底的に調査し、その背後のあらゆる真相を究明した上、法律に基づき厳罰すると主張し続けてきた。それに対し、薄の政治同盟で政法(公安・司法)委トップの周永康氏がけん制・妨害してきた。周・薄はかつて、温首相一族の蓄財問題を政変計画の一部としていたことは伝えられており、今回もその延長線上にあるものと思われる。
ニューヨーク・タイムズの報道の翌日、27日付の在米中国語ニュースサイト・博訊は、温首相一族の財産の81%は温一族と無関係だと主張、同報道の内容を否定した。27億の81%に当たる22億ドルの資産は一族が所有する生命保険会社・平安保険の株だとNT紙は主張するが、博訊によれば、同社が上場する前に、温首相の母親を含む親族はすでに同社株を手放している。これらの手続きが判明できる当時の書類もあるという。
また過去にも、温首相の息子・温雲松氏は鄭建源という偽名を使って商業活動を行い蓄財しているとメディアに報道されていたが、最近になって、鄭氏本人は、自分が温雲松氏と無関係であることを証言した。博訊は残りの5億ドルもこれに似た不審点があるのではと切り込んでいる。
一方、ニューヨーク・タイムズは、温首相が家族の商売と関係し、ビジネス事情を知る証拠はないとも伝えている。
一連の報道に対し温首相の親族は27日、北京の法律事務所を通じて声明を出した。隠蔽財産の存在を否定し、関連報道について法律責任を追及する権利があると主張した。
大紀元(中国語版)のコラムニストで中国問題専門家の章天亮氏は、ニューヨーク・タイムズの報道は共産党指導部の闘争が白熱化し、最後の勝負を決める時が来たことを意味すると指摘。江・周・薄一派は来月に控える党大会を前に最後の反撃を仕掛けたが、この一撃はかえって、胡・温・習の彼らに対する抑え込みを加速させ、強化させたと章氏は分析する。
共産党幹部の親族がその特殊の地位を利用し、あるいはその地位を目がける外部の働きで財が築かれることはもはや一般的。章氏は、温親族の財産の有無に焦点を合わせるよりも、胡・温・習らが江一派を封じる決定的な手は、彼らが行った法輪功団体への迫害や、その学習者から臓器を奪取するなどといった凄惨な犯罪事実を暴き、法律で裁くことだと指摘した。
■中国の温家宝首相一族、27億ドル蓄財との米紙報道に反論
http://jp.wsj.com/World/China/node_537574?mod=WSJWhatsNews
2012年 10月 29日 9:30 JST
【北京】中国の温家宝首相の一族は、この20年間に27億ドル(約2150億円)に上る蓄財をしたとの米紙ニューヨーク・タイムズの報道を「真実でない」として否定した。一族の弁護士が28日、明らかにした。中国指導部の1人が外国メディアの報道に直接反論するのは異例だ。
弁護士の王衛東氏は、同氏ともう1人の弁護士が一族を代表して、同報道に反論する声明を28日付の香港紙に載せたと述べた。タイムズは、母親や妻、息子を含む温家宝氏の一族が特に2003年に同氏が首相になってから裕福になったと伝えていた。
王弁護士は短い電話取材に対し、両弁護士が26日に報じられたこの記事の内容を調べており、タイムズに対する新たな措置も検討していると述べたが、それ以上は明らかにしなかった。
また両弁護士は香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストに掲載した声明で、「ニューヨーク・タイムズが報じた温家宝一族のいわゆる『隠された富』は存在しない」とし、「われわれはニューヨーク・タイムズによる虚偽の報道に関して実態解明を進めており、法的措置の権利も有する」と指摘した。
声明は27日付で、国浩法律事務所(Grandall Law Firm)の王氏と君合法律事務所(Junhe Law Offices)の白濤氏が発表した。両社は中国で最大規模の法律事務所だ。
中国国務院情報局のある当局者は、日曜なので報道官はつかまらないと述べた。AP通信によると、外務省の洪磊副報道局長は26日の定例記者会見で、この報道は「中国をおとしめており、隠された魂胆がある」と強調した。タイムズは、記事の内容を確信しているとしている。
この記事は、11月8日からの第18回共産党大会で10年に1度の指導部交代が行われる直前という、同国指導部にとっては微妙な時期に報じられた。今回の党大会には既に、党籍を剥奪された元重慶市トップの薄熙来氏をめぐるスキャンダルが影を投げかけている。同氏の妻には、英国人ビジネスマンを殺害したとして8月に有罪判決が言い渡され、当局は9月、同氏自身に対して多額の収賄や職権乱用で刑事責任を追及することを決めた。
共産党内部の人間や政治アナリストによると、今回のタイムズの報道は、気配りの指導者、政治改革論者、役人の汚職追放論者としてのイメージを高めてきた温家宝氏にとって打撃となる可能性がある。同氏は11月に党のポストから離れ、首相の地位からも来年降りることになっている。同氏ら職を離れることになっている指導部の人たちは、個人的な利益や政治的な影響力を保持するため新指導部の下で保護を得ようとしている。
タイムズは、温家宝氏が一族の取引を支援したかどうかは記録からは分からないとしている。弁護士の声明は「温家宝氏は一族の事業活動に何らの役割も果たさなかったし、ましてや一族の事業活動が同氏の政策執行に影響することなどはなかった」と述べた。その上で、全ての事業活動の責任は、温家宝氏の親戚とその「友人」や「同僚」にあると指摘した。
タイムズは、1992~2012年の企業の記録などによると、温氏の親戚は銀行、貴金属会社、観光リゾート、通信会社、それにインフラプロジェクトの株式を、時に海外の企業を使って増やしていたことが明らかになったとしている。同紙によれば、この中には同氏の90歳になる母親による、大手保険会社、平安保険グループへの1億2000万ドルの投資も含まれているという。
記者: Jeremy Page
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