2012年9月14日金曜日

■韓国でも10年後に「老後難民」問題直面の恐れ


韓国でも10年後に「老後難民」問題直面の恐れ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/09/14/2012091401008.html
2012/09/14 11:08  朝鮮日報 野尻哲史

 「高齢化、年金の枯渇など、韓国社会は急速に日本の後を追っている。このままだと10年後には、韓国の定年退職者が日本のように『老後難民』問題に直面する可能性がある。危機意識を持って対処すべきだ」

 投資信託会社フィデリティ日本法人の退職・投資教育研究所の野尻哲史所長は12日、本紙とのインタビューでこのように述べた。野尻氏は、2010年に『老後難民・50代夫婦の生き残り術』(講談社プラスルファ新書)を出版し、超高齢化社会・日本の退職者問題を扱った。

 野尻氏が言う「老後難民」とは、引退後に資産を使い果たし、衣食住といった基本的な生活条件を満たすための資金すらない高齢者を指す。野尻氏によると、アンケート調査を行った結果、韓国人は引退後の生活に、日本人よりはるかに楽観的だという。昨年11月にフィデリティ・ワールドワイド・インベストメントが実施した調査によると、日本人の70%は「自分の老後生活は現在の高齢者に比べ悪化する」と回答したが、韓国人の10人に6人は「自分の老後は現在の高齢者に比べ改善する」と答えた。

 今回、投資家への講演のためにソウルを訪れた野尻氏は「10年前の日本のように、韓国も医療サービスが必要な高齢者人口が急速に増える一方、医療サービスがその流れに追い付いておらず、『医療難民』が発生する恐れがある。日本では生活費に充てるために家を処分し、不足している介護施設を転々とする『介護難民』も増えている」と指摘した。

 野尻氏は老後難民になるのを避けるため、人生を引退前と引退後の2段階ではなく、3段階に分けるべきだと提言する。

それは

▲職場生活を送りながら、資金を稼ぐ時期
▲引退後の投資で資産を増やす投資期
▲投資活動を終え、蓄えた資産を自由に使う完全引退期

―だ。

 野尻氏は「多くの人が資金を増やす2番目の時期をしっかり活用できずにいる。退職後も20年程度は毎年3%程度資産を増やすという考えで投資を続け、75歳ごろに投資からの引退を宣言するのがよい」と話した。続いて、年3%の収益率を達成するための方法として、「銀行預金の割合を減らし、投資資金のうち株式投資の割合を少なくとも20%以上に増やすのがよい」とアドバイスする。

 野尻氏はまた、引退後の生活費を50代の半分程度に減らし、ソウルのような大都市ではなく地方都市に引っ越すことを勧めた。

 同氏によると、退職後の投資を行う場合に最重要視すべきなのは流動性だ。すなわち速やかに現金化できるかどうかだ。例えば、不動産に投資する場合でも、直接家を購入するのではなく、不動産投資信託(REIT)に投資するのがよいという。不動産バブルがはじけた場合、REITは速やかに損切り売りが可能だが、不動産は処分できずに大きな損失を出すことになりかねないからだ。

 野尻氏自身は引退に備え「投資の多角化に焦点を合わせている」と話す。同氏は「私の資金は日本、アジア、欧州、米国に投資する積立式ファンドに4等分してある。妻の収入は全て銀行に預金する。私のファンド投資は地域の多角化を追求する戦略で、家庭内では私と妻が攻撃型、安全型でそれぞれ分散投資している形だ」と説明した。



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