2012年9月25日火曜日

■【コラム】 反日影響を最小限にする中国マーケティングのあり方


【コラム】 反日影響を最小限にする中国マーケティングのあり方
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0925&f=column_0925_050.shtml
2012/09/25(火) 18:08
       
 中国国内で反日デモが拡大しており、都市数も80超と拡大している。日本企業への影響が出ている。本稿ではデモ参加者や過去の反日デモ後の日中経済関係を分析した上で、反日影響を最小限にする中国で売れるマーケティングの有り方について述べる。

一、デモ参加者

 1)現在、反日デモを行っていた都市は80都市を超えている。しかし、日本企業(製品)が中国沿海部に集中しているため、大半のデモ発生都市では日本企業(製品)がほぼない。そのため、具体的な日本企業や日本製品への不満がないはずである。

 2)デモ発生の80都市では、デモ参加者の多くは日本製品が買えない人たちである。つまり、しっかり会社に勤めている人たちはデモに参加する時間がないであろう。要するにはデモが沈静化になり、ターゲット層が続けて日本製品を購入するといえよう。

 言い換えれば、デモに参する時間(暇)のない、しっかり仕事している人たちは富裕層や中間層という曖昧な定義より日本企業の本当のターゲット消費者層とえいよう。


二、過去の反日デモ後の日中経済関係

 これまでは日本企業による中国投資ブームが4回に達成した。特に過去の反日デモを振り返ってみると、反日デモが鎮静化の後、日本企業の対中投資・進出がさらに増え、中国市場の開拓がさらに本格的である。例えば、2005年に反日デモがあった。

 しかし、その時は日本の対中第三次投資ブームを達成し、その後3年後の2008年に日本企業第4次中国投資ブームを迎えた。2010年に反日デモもあったが、その後の2011年に日中貿易額は歴史最大級に達成した。そのため、目の前の環境に左右されず、長い目で中国ビジネスを見る必要がある。


三、反日影響を最小限にする中国で売れるマーケティングの有り方

 1、良い中国語ネーミングは企業をアピールすると同時に企業を守る役割がある。

 いま影響を受けているのは中国で周知されている日本大手企業ばかりである。また、香港系のドラッグストアチェーンの「ワトソンズ」(中国語名:屈臣氏)の店舗も影響を受けている。理由は「名前が外資系企業のように聞こえるからだ」という。

 しかし、中国で成功している日本ペイント(中国語:「立邦」)、サントリー(中国語:「三得利」)、サイゼリヤ(中国語:萨莉亚)などは影響されていないようである。その理由は日本製品および日本式サービスを連想させないと伺える。そのため、企業の理念や主力製品やサービスに忠実しながら、中国人の親しみやすいネーミングをつけることは中国市場開拓の重要なポイントである。

 2、中国市場投入製品の見直しおよび多チャネルによってリスク分散

 製品はものそのもの(ハード)だけではなく、情緒的な価値(ソフト)を持っているため、両部分をどのように組み合わせて中国人消費者に提供するかは重要である。

 いまの中国では「日本だからいい」という発想が通用しなくなっているため、「日本発」「日本品質」という目上視線の商品戦略を見直し、現地調査を通じて、過剰、ニーズのない情緒的な価値を取り除き、世界に共通する情緒的な価値を加え、消費者に提供すべきである。

 また、多くの日本企業の販売チャネルは単一で、交渉力が低く、環境に影響されやすい。そのため、多チャネルの利用、地方・個人業者と提携によって、あらゆるリスクが分散でき、販路が打開でき、市場拡大にも繋がる。

 今回の事件は日中両国にとってもマイナスである。一方、中国市場を見極め、対中ビジネスを考え直す・練り直すいいチャンスとして捉えべきであろう。



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