2012年9月9日日曜日

■飲酒:酔客が道ばたにあふれる韓国


飲酒:酔客が道ばたにあふれる韓国
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2012/09/06 14:31 朝鮮日報

ソウル市内の交番、繁華街、駅などで見る「酔っぱらい韓国」

▲26日午前1時ごろ、ソウル市江南区内の江南大路沿いにある駐車場で、泥酔した女性が座り込んだまま立ち上がれず、男性に手を取ってもらっている。この女性は近くの居酒屋からここまで、男性に背負われてきた。/写真=李鎮漢(イ・ジンハン)記者
 本紙社会部に所属する記者14人が、週末と釈迦(しゃか)誕生日(旧暦4月8日、今年は5月28日)の3連休が始まる前日に当たる5月25日夜から26日早朝にかけ、ソウル市内の主な交番や派出所(14カ所)、江南大路・梨泰院・新村・弘益大学周辺の繁華街、主な地下鉄駅などを取材した。予想通り、どこも酔客の天下で、派出所や交番、さらには最終電車の車内も酔っぱらいであふれていた。イ・ナミ心理分析研究院のイ・ナミ院長は「泥酔とは、自らの行動を統制できる能力を失った状態のこと。人権も重要だが、酔客を厳しく処罰することも、心理学的にみると非常に効果的な対策になるだろう」と語った。

■派出所の常連

 5月26日深夜3時ごろ、泥酔状態で梨泰院の派出所に連れてこられたOさん(36)は、警察官を見るなり「アニキ」と叫んだ。警察官も、Oさんに「また来たのか」と声を掛けた。Oさんは居酒屋で2万ウォン(約1300円)相当の酒とつまみを注文したが、代金を支払わなかったため通報された。これまで無銭飲食で13回、この派出所に連れてこられた前科があるため、すっかり常連となったOさんは、携帯電話をなくし派出所を訪れた市民に、派出所内のトイレの位置を説明していた。同じころ、この近くの考試院(受験生向けの貸し部屋)に住むSさん(45)=女性=も、居酒屋で酒を飲んでいたところほかの客と口論になり、派出所にやって来た。Sさんは、警察官をアニキと呼ぶOさんと派出所で何度も会ったことがあり、今ではすっかり顔見知りだ。SさんはOさんに「あなたなぜまた来たの」と声を掛けていた。

 取材チームとともにパトカーで近所をパトロールしていた新村派出所のソン・ビョンホ警査(巡査部長に相当)は、コンビニ前のベンチに座り、1人で焼酎3本を飲んでいたPさん(51)を指差した。ソン警査は「酒に酔って真っ裸での醜態、器物破損、通行人への言い掛かりなどで、20回以上派出所に連行されたことのある常習犯だ。この辺りでは完全な厄介者になっている」と話した。

■地下も酔客だらけ

 25日夜11時が過ぎると、地下鉄4号線タンコゲ駅のイ・スファン副駅長は「これからが戦争の始まり」と語った。この駅は4号線の終点だが、車内には酒に酔って眠り込んでしまう客がいつも5-6人はいて、起こして下車させようとすると「何をするんだ」などと逆に言い掛かりをつけられるという。26日深夜0時49分に電車が到着すると、髪を金色に染めた20代の男性が駅員2人に支えられながら降りてきた。駅員はこの男性を駅前にある公園のベンチに座らせた。酔いが覚めてからタクシーに乗せるためだ。駅員Lさんは「冬は酔客が凍死するかもしれないため、ひとまず待合室に寝かせることもある」と話す。

 同日深夜0時40分ごろ、3号線旧把撥駅では、グレーのスーツを着た40代後半とみられる男性が、駅員に支えられホームに降りると、すぐに嘔吐(おうと)を始めた。そしてそのままエレベーターに乗ると、大きなスーツケースを持って乗っていた20代の女性が顔をしかめた。その直後、この男性はエレベーターの中でまた吐いた。駅関係者は「どの路線も、最終電車が到着する終着駅では、酔客の醜態がごく日常の光景になっている」と述べた。

 25日夜10時20分ごろ、タンコゲ駅では、泥酔状態でホームのベンチに寝ていた70代の高齢者が、そのままの姿勢で突然大小便をした。

■昼間は静かな学生街も夜には歓楽街に

 25日夜11時40分ごろ、ソウル・新村の延世路を歩いていた320人の通行人のうち、一目で酒に酔っていると分かったのは23人だった。内訳は、大声を上げている人が7人、足元がひどくふらついている人が14人、嘔吐している人が2人だった。ある若いカップルは、女性が酒に酔い、男性に両脇を抱きかかえられながら、ダンスでも踊るかのように歩いていた。このカップルはおそらく大学生で、わずか数時間前の昼間には、分厚い教科書を脇に抱え、大学構内を行き来していたはずだ。26日深夜0時40分、新村の現代デパート前にある七つのベンチのうち六つは、酔っ払って大の字になって寝ている学生や、抱き合いながら眠るカップルたちが占領していた。焼き肉店が並ぶ通りでは、ほぼ10メートルごとに酔客がうつぶせになって吐いていた。

 26日深夜1時ごろ、弘益大学前のカラオケ店が立ち並ぶ長さ500メートルの通りには、酒に酔って座り込んでいる人が38人いた。このほか、空の焼酎瓶を蹴って転がしながら遊ぶ通行人の姿も目についた。

 オフィス街の江南大路周辺も、夜になると路上に座り込む酔客でいっぱいだ。深夜0時30分ごろ、赤いヘッドギアをつけた20代の男性が現れ、酔客に「1万ウォン(約660円)で2分間、人間サンドバッグになってやる」と持ち掛けた。10人以上が列を作ったが、皆ふらついていたため、殴ろうとしても空振りばかりで、金を損して終わった。



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