2012年10月6日土曜日

■米自動車市場の急回復は本物か


米自動車市場の急回復は本物か
US Car Sales Continue to Show Strong Recovery
アメリカ景気の先行きが不透明ななか、トヨタやホンダが3〜4割の販売増を謳歌している理由
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2012/10/post-2715.php
2012年10月05日(金)16時15分ケイトリン・フナロ

日本車復活 米自動車市場の好調を引っ張るのはトヨタをはじめとする外国メーカー

 世界経済の停滞が続くなか、アメリカでの自動車販売が急回復している。けん引役はトヨタ自動車やホンダなどの外国メーカー。トヨタは9月のアメリカ新車販売台数が前年同月比41・5%増、ホンダも30・9%の大幅増を記録した(米クライスラーは12%の伸びにとどまった)。

 モルガン・スタンレーの業界アナリストがロイター通信に語ったところでは、アメリカの2012年の自動車販売台数は1480万台に届きそうな勢いだという。これはアナリスト予想の1450台を上回る数字だ。

 増加の要因の一つは、車種によって無利息ローンを借りられるなど、条件のいいローンが増えてきたこと。信用危機が起きて以来、車に寄りつかなかった消費者も、こうしたローンの登場によって購買意欲を見せ始めた。

 信用度の低い消費者も、以前よりローンを借りやすくなってきた。「今はとても低い利息で金が借りられる」とトゥルーカー・ドットコムのアナリスト、ジェシー・トプラックはロイター通信に語った。「中古車の下取り価格もそれほど下がらなくなってきたし、ローンの利息も低いので、自動車メーカーは近年にない魅力的な提案ができるようになった」

ずっと我慢してきた反動?

 長引く不況で深刻な打撃を受けた自動車産業は、安定成長が訪れる兆しを歓迎している。

「ディーラーやメーカーの間では、放っておいても安定した売れ行きが期待できる環境になってきた、という感覚が広がっている。過去数年、業界全体の想像以上の落ち込みに苦しめらえてきた彼らにとって安堵感は大きい」と、エドムンズ・ドットコムのアナリスト、ジェシカ・カルドウェルはロサンゼルス・タイムズ紙に語った。

 しかし別の見方もある。米調査会社ガートナーのアナリストであるシロ・コスロースキーに言わせれば、経済はいまだ脆弱で、現在の成長ムードが長続きしない可能性がある。「今の売上増は、不況で需要が抑えられてきた反動に負うところが大きい」と、彼はタイムズ紙に語った。「ただし今の上昇傾向が今後8カ月続いたら、自動車業界の状況はかなり改善する。メーカーも低迷する世界市場での損失をいくらか補えるだろう」



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