2012年10月26日金曜日

■中国の空母「遼寧」は作戦能力を永遠に持たない=ロシア


中国の空母「遼寧」は作戦能力を永遠に持たない=ロシア
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1025&f=politics_1025_012.shtml
2012/10/25(木) 11:03


 旧ソ連11435型「ワリヤーグ」を基に改良された中国初の空母「遼寧艦」がこのほど就役し、中国メディアは中国が空母時代に突入したと豪語したが、ロシアの軍事専門誌は18日、「同空母が作戦利用されることは永遠にない」と報じた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。ロシアメディアの報道内容は以下のとおり。(写真は「CNSPHOTO」提供)

 同空母は2011年8月10日に初の試験航行を実施したが、当時はまだ「16号」という編成番号と「遼寧艦」という正式名称はなかった。初の試験航行は3日間にわたって実施された。同空母の試験航行は計10回、日数にして計103日間実施された。そのうち数回の試験航行は期間があまりにも短く、何らかの問題が生じたことは明白だ。

 ワリヤーグの建設は、ソ連解体後のウクライナのニコライエフ造船所で、完成度78%の状態でストップした。同空母は1998年まで造船所に停泊していたが、2000万ドルの価格でマカオ経由で買い取られた。中国側は当初、同空母を海上娯楽施設に改造する予定だったようだ。

 中国が退役空母を購入するのは、これが初めてではない。中国はそれまで、旧ソ連の2隻の退役空母、オーストラリアの退役空母「メルボルン」を購入していた。中国側はこれらの空母の構造を研究したうえで、博物館もしくは娯楽施設に改造しようとした。しかしワリヤーグの運命は違った。同空母は中国がそれまで購入したそのほかの退役空母とは異なり、娯楽施設に改造されなかった。

 米国は中国の真の目的をただちに理解したようで、ウクライナに圧力を加え、売却前に同空母をできる限り解体するよう求めた。ロシアもウクライナに対して、一部の設備および機密に関わる全部品を取り外すよう求めた。中国はその後約2年の時間をかけ、空母を大連まで移動することに成功した。

 トルコは同空母によるボスポラス海峡とダーダネルス海峡の通過に難色を示し、多くの時間が費やされた。トルコは巨大かつコントロールを失った空母の船体が海上を航行することで、安全が脅かされる可能性があることを口実としたが、中国側の積極的な働きかけによりようやく通過が実現されることとなった。米国がこれらの裏で糸を引いていたことは間違いない。

 旧ソ連11435型「ワリヤーグ」を基に改良された中国初の空母「遼寧艦」がこのほど就役し、中国メディアは中国が空母時代に突入したと豪語したが、ロシアの軍事専門誌は18日、「同空母が作戦利用されることは永遠にない」と報じた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。ロシアメディアの報道内容は以下のとおり。(写真は「CNSPHOTO」提供)

■「中国海軍」写真特集

 中国はワリヤーグに対して、長期間かつ緻密(ちみつ)な研究を行い、2004年より大連造船所で補修と改造を行った。当時の同空母は悲惨な状況で、多くの設備を新たに取り付ける必要があった。そのなかには、主動力装置のうちもっとも重要な部品も含まれたという。空母のケーブル・電線の一部も取り外され、残された設備は表記事項が消されていた。またすべての電子設備、無線電信設備、武器装備が取り外されていた。

 当時の同空母はまさに抜け殻同然で、使用できるかどうかも分からない古い設備だけが残されていた。中国のエンジニアは同空母の動力装置を改造し、ロシア製に似た中国産電子設備、および対艦ミサイル発射口を取り付けた。またジェット燃料給油車を追加し、格納庫を広くした。30ミリ高射砲、近距離ミサイル防衛網を含め、新たに搭載された武器装備のほぼすべてが中国産だ。

 中国の空母のミサイル防衛システムの性能は、ロシア海軍の現役空母「クズネツォフ」が使用中の、もしくはワリヤーグに取り付けられていた類似システムの水準には及ばず、密集した近距離防衛網を構築できないが、これは重要なことではない。遼寧艦が永遠に作戦利用されない可能性が非常に高いからだ。

 中国軍は初めから、遼寧艦を科学研究訓練空母と称していた。ウクライナは当初、ロシアに対して未竣工のワリヤーグを、2億―2億5000万ドルで売却する予定だった。しかし当時のロシアは空母を新たに購入する力がなく、既存の艦隊を保持することも困難であった。ロシア軍の艦隊は破損が著しく、古くもない艦艇をくず鉄同然の値段で売却した。

 当時のロシアの指導者は、空母のために資金を費やすつもりは毛頭なく、ウクライナ側も同空母を借金の返済に当てる気はなかった。同購入計画が実現されていれば、ロシア海軍が現在保有する空母は1隻ではなく、2隻になっていたはずだ。

 中国の空母が現在直面している最大の課題は、艦載戦闘機の問題だ。各種艦載ヘリが遼寧艦で離着陸する写真が広く出回っているが、艦載戦闘機については多くの問題と疑問点が存在する。同空母の甲板の軍用機が撮影され、このほどメディアに公開されたが、専門家らはそれが艦載機の特殊模型に過ぎないと分析した。艦載機の離着陸に関する情報には、現在のところ確かな裏付けが存在しない。最終的には、中国が迅速に艦載機の空母甲板での離着陸を習得し、2012年もしくは13年に艦載機の初の着陸試験を実施するだろう。

 旧ソ連11435型「ワリヤーグ」を基に改良された中国初の空母「遼寧艦」がこのほど就役し、中国メディアは中国が空母時代に突入したと豪語したが、ロシアの軍事専門誌は18日、「同空母が作戦利用されることは永遠にない」と報じた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。ロシアメディアの報道内容は以下のとおり。(写真は「CNSPHOTO」提供)

■「中国海軍」写真特集

 遼寧艦で着陸可能なヘリコプターについては、当初から明らかな情報が伝わっていたが、艦載戦闘機は複雑な問題だ。中国はかつてロシアからSu―33艦載機を数機購入しようと目論んでいたが、結果的にロシア側に拒まれた。ロシアは中国に対して大量購入を提案したが、その動機は単純だ。ロシアは、数機の輸出のためにSu―33の生産ラインを再稼働させるのは、経済面から見て合理的ではないと判断し、また中国がロシアの技術を盗用しコピーすることを懸念したのだ。

 中国はその後、国産の艦載戦闘機を自主開発することを決定した。殲―10戦闘機の艦載機版の開発という考えは否決されなかったが、棚上げにされてしまった。シングルエンジンの戦闘機は、実力の高い艦載機に改造できないためだ。中国はもっとも難易度の低い、摩擦の少ない道を選択した。

 中国はウクライナからSu―33艦載機の試作機を購入し、研究とコピーを行い、中国独自の研究成果を加えることで変化をつけ、殲―15「飛鯊」を開発した。中国側は、殲―15は国産エンジン「WS-10」を使用したと称した。しかし多くの専門家はこれに疑問を呈しており、その試験機が依然としてロシア製エンジン「AL―31F」を使用していると推測した。

 また一部の情報によると、殲―15はSu―33より重量が重いため、十分な弾薬を積み空母甲板から離陸するという問題も未解決だという。

 ワリヤーグを遼寧艦に改造し得たのは、すべて中国独自の手柄であったとはいえない。多くの基礎的な作業が中国により完了されたが、外部からの支援がなければ、中国が改造を完了できたとは限らない。中国はウクライナのニコライエフ市の造船専門家と積極的に提携し、またロシアを訪れ11435型空母の設計者に協力を求めていた。

 中国は数年前、ロシアから11435型空母を基礎として作成された中型空母の設計プランを入手した。中国は今後これに研究と調整を加え、国産の新型空母を開発する可能性がある。中国の最新の駆逐艦、中国版イージス艦、潜水艦はすべて中ロ軍事技術提携による成果だが、中国は今後2隻の国産空母(作戦能力を持つ空母)を建造し、この歴史を再演することになる。

 しかも中国人は高い志を持っている。うわさでは、中国は大型の原子力空母の開発を予定しており、艦載機の離陸にはスキージャンプ式ではなくカタパルトを使用するとされている。




0 件のコメント:

コメントを投稿