2012年10月3日水曜日

■【コラム】 中国の「食市場」を睨んだ日本企業の憂鬱


【コラム】 中国の「食市場」を睨んだ日本企業の憂鬱
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1003&f=column_1003_035.shtml
2012/10/03(水) 14:45

 2012年9月18日(火)に中国の多数の都市で反日デモがあった。TVでは日系の工場やスーパーが崩壊されている映像が映し出されていた。9月27日(木)に北京で開催される予定だった日中国交正常化40周年の記念レセプションは中止となった。親中国の一人としては心の病む事であるがただ現状を見極めるしかない。中国は経済力で日本を抜き、今後大国としての品格と信頼感が求められる。過去の歴史の戒めは謙虚に耳を傾け、対話解決に耳を向けていただきたいと願うばかりである。

 ところで、日本から見て従来安価な人件費ばかりが魅力だった中国が、近年「世界の市場」へと変貌を遂げた。今回は中国に食文化市場を求める日本企業の動向について触れてみたい。

中国で日本式の米の品質管理手法を

 日本のコメの卸業者が今年海外現地法人を設立し、現地のコメを精米して販売する。中国でも食の安全・安心志向は日本に負けずに年々高まっており、小売市場では産地や生産方法を明確にしてその情報を届けているようである。

 ちなみに中国でのコメの需要量は1億3000万トンで日本の16倍の市場、人口比率(中国の人口は日本の11倍)から見ても格段に大きい。現在、中国で日本のコメを販売することは制度や許認可の面で難しい事もあるが、現在は日本の販売システムノウハウを生かす環境がこれからも増えてきており、新たな商機を模索しているようである。

中堅外食の中国進出支援

 食に関するBtoBを中心としたビジネスを日本で営んでいる会社がある。同社は2009年に中国でECサイトのビジネスを開始し、このアドバンテージを生かすべく、中国への進出を検討している日系外食チェーンに対し、物件情報や現地法人の設立方法、市場分析や競合店舗の状況などのマーケティングの調査も請け負う。現地の優秀な食品メーカーや卸売業者の提供、中国語表記のHPや会社のパンフレットの作成なども手掛ける。某シンクタンクによると、中国の外食産業の市場規模は毎年15%増が期待され、日本の外食産業の市場規模を上回るようである。これでは、高齢化が進む日本市場よりも、中国にそのノウハウを提供し新たな販路を開拓したくなることは当然のことである。

2つの事例から見られるこれからの日本の事業の方向性

 前述の2例はいずれも「モノ」を販売するのではなく、「コト」もしくは「ノウハウ」を販売することを試みて新たな市場を開拓しようと模索している。将来的にはいずれも日本の「食」を中国で「販売」したいと模索しているが、その前哨戦ともいえる「ノウハウ」でどれだけ成熟化していく市場環境に入り込んでいけるか、だと思われる。
一日も早くギクシャクした関係が融和し、アジア人として同じDNAを持つ両国民がまた新たな信頼関係を築ける日が来ることを祈るだけである。



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