2012年10月1日月曜日

■2強でシェア85%、寡占化が進む韓国免税店業界


2強でシェア85%、寡占化が進む韓国免税店業界
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/01/2012100100025.html
2012/10/01 06:14 朝鮮日報

 韓国免税店業界で新世界グループが最近、パラダイス免税店の株式81%を取得すると発表し、ロッテ・新羅という2強体制が崩壊するのではないかとささやかれている。寡占体制が崩れれば、免税店業界で値引きやマーケティングの競争が激しさを増す見通しだ。ただし、近年は新規参入が認められた例がないなど、免税店業界の寡占体制は固定してしまった感がある。

■2強のシェア85%

 現在韓国で免税店を展開するのは12社。大企業系は◆ホテルロッテ、ロッテDFグローバル(旧AK免税店、2009年にロッテが買収)◆新羅免税店を運営するホテル新羅◆ウォーカーヒル免税店を運営するSKネットワークス―の各社だ。いずれもホテルを基盤にして、空港免税店に事業を拡大した例が多い。

 このほど新世界に買収されたパラダイス免税店は釜山地域のホテルを、東和免税店はソウル市内のホテルを拠点にしている。韓国観光公社、全南開発公社、韓国報勲福祉医療公団、現代峨山、済州観光公社、JDC済州空港などはソウル、済州、地方空港で免税店を運営している。

 空港免税店のほか、市内にある免税店は10カ所(ソウル6カ所、釜山2カ所、済州2カ所)だ。韓国政府が1988年のソウル五輪を控え、外国人観光客を誘致するために許可を出し、1990年代初めには29カ所に達したソウル市内の免税店は経営難で数が減り、現在は6カ所のみとなっている。

■2000年以降、新規認可なし

 しかし、2000年代半ばから状況が変化した。外国人観光客が爆発的に増え、免税店の売上高が大幅に増加したのだ。07年に644万人だった外国人観光客は昨年には979万人に増え、同じ期間に韓国の免税店市場は年間2兆7000億ウォン(約1870億円)から5兆2000億ウォン(約3600億円)へと2倍近くに拡大した。

 ただ、市場拡大の「果実」はロッテ、新羅など大手業者が独占している。ロッテのシェアは07年の45.6%から昨年には54.6%に拡大。新羅免税店も同じ期間に11.8%から30.5%にシェアを伸ばした。2社の合計シェアは85%に達している。

 先月米国出張を控え、ソウル市内の大型免税店を訪れたKさん(32)は「外国人客が多すぎて、商品についての説明を聞くことすら難しかった。免税店の数が少ないため、選択の幅も狭い」と不満を語った。

 韓国政府は空港免税店1カ所(現代峨山の襄陽空港免税店、11年認可)を除いて、免税店の新規出店を事実上認めておらず、認可権限は関税庁が握っている。関税庁は◆前年度に外国人入国者が地域別で30万人以上伸びた場合◆前年度の市内免税店の利用者数と売上高に占める外国人の割合が50%を超えた場合、新規参入を認めることにしている。

 しかし、業界関係者は「2000年以降、新たに認可された市内免税店はない。関税庁が定める条件を満たすのは事実上不可能だ」と話した。

 政府は昨年、市内免税店の不足により外国人観光客が不便を感じているとの指摘を受け、外国人専用の市内免税店制度を導入すると発表したが、まだ具体的な計画は示されていない。

 免税店が国内消費者を対象にブランド品の販売を行っているとの指摘や、一部大企業に事業者が集中しているとの指摘を同時に避けなければならない状況だ。




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