2012年10月1日月曜日

■「品質・価格重視」変わる中国人観光客


「品質・価格重視」変わる中国人観光客
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/01/2012100100031.html
2012/10/01 06:20 朝鮮日報

 四川省成都市に住む中国人、張磊さん(27)は、2回目の韓国旅行を計画している。2010年冬に団体旅行で初めて韓国を訪れた際には、ソウルと済州島を回り、免税店でアルマーニのサングラス、衣料、紅参(高麗ニンジンを皮ごと保存したもの)など1万元(約12万3000円)相当を購入した。初めての韓国訪問だったため、ビザが下りやすいツアーを選んだが、ガイドに付いて歩くのが不便だったことから、今回は個人旅行にしようと考えている。

 買い物リストもあらかじめ作成している。マンションと自家用車を持ち、五つ星ホテルで働く張さんは、香港、インドネシア、米国にいる親戚とインターネットで連絡を取り合い、商品の価格を比較している。張さんは「前回は知らなかったが、買いたかったジャケットは香港の方が少し安かった」と話した。

 中国人観光客が今、変わっている。店頭に殺到し、1000万ウォン(約70万円)以上まとめ買いしたり、手当たり次第に購入したりする客は減り、お目当ての商品の価格を国際比較まで確認している。変化の中心には、消費の主力に浮上した「80後(パーリンホウ=1980年以降生まれの世代)」の存在がある。

■「80後」の台頭

 文化体育観光部(省に相当)によると、今年韓国を訪れた中国人観光客のうち、21-30歳の割合は22%で、3年前に比べ2ポイント増えた。昨年には初めて、21-30歳の観光客が31-40歳を上回った。80後世代が就職し、消費の主力となり、大挙して海外旅行に訪れている格好だ。中国メディアは「80後の旅行客の割合が大きく上昇している」「80後が海外旅行の主力になっている」と指摘している。

 80後世代の増加は、デパートの店頭での風景も変えた。現代百貨店の関係者は「日本人観光客は割引クーポン、商品券を抜け目なく入手し、購入額が大きくないが、中国人観光客は以前はその反対だった。しかし、最近の中国人観光客は片手に電卓、片手に売り場マップをダウンロード済みのスマートフォン(多機能携帯電話端末)を持っているほどしっかりしている」と話した。ブランド品売り場で手当たり次第に購入するのではなく、売り場の位置を調べ、購入すべき品物、個数をあらかじめ定め、香港との価格差までチェックしてくる。現代百貨店狎鴎亭本店では、今年1-8月に中国人観光客による売上高が前年比で2倍に伸びたが、店頭で購入額に応じた商品券を受け取る中国人は4倍に増えた。

 海外旅行の経験を積んだ80後世代は、旅行会社に頼らず、直接ホテルを選ぶ。中国人観光客の頼華さん(32)は今月14日から2泊3日の日程でソウルを訪れた。今回が3回目の韓国旅行だ。宿泊先は2回目の旅行時に知った南大門周辺の格安ホテルにした。旅行前にインターネットで料金、施設、アクセスを細かく再確認した。頼さんは「買い物も宿泊も質が高く、安くなければ駄目だ」と話した。

■新たな集客戦略

 韓国観光公社は今年の秋夕(中秋節、今年は9月30日)と国慶節連休(10月1-7日)に最高で10万人の中国人観光客が韓国を訪れるとみている。昨年(約7万人)に比べ40%以上多い数字だ。デパートは海外旅行の主力となった80後世代を誘致するため、さまざまな努力を傾けている。こうした中、インターネットに慣れた80後世代を狙ったオンラインマーケティングが重視されるようになった。

 現代百貨店は中国版ツイッター「微博」で中国人の記者団を管理し、中国の現地ホテル、空港などに割引クーポンを置いた。新世界百貨店は韓国観光公社、中国の旅行会社「携程旅行網(シートリップ)」と提携し、インターネット上で割引クーポンを配布している。ギャラリア百貨店は中国の検索サイト大手「百度(バイドゥ)」に検索広告を出している。しかし、80後世代に対する準備態勢はまだまだ不足しているとの指摘もある。流通業界の関係者は「中国人の買い物は免税店が中心だ。今は税金の関係で(中国に比べ)価格面で韓国に競争力があるが、中国本土の人々が香港に容易に行けるようになれば、免税店だけでなく、流通業全体が打撃を受けることになる」と懸念した。



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