2012年10月18日木曜日

■【中証視点】中国の超高層ビル建設ブームにバブル崩壊の懸念


【中証視点】中国の超高層ビル建設ブームにバブル崩壊の懸念
http://searchina.ne.jp/bz/cs/disp.cgi?y=2012&d=1018&f=business_1018_139.shtml
2012/10/18(木) 15:37:27更新

 50億元、60億元、73億元、この3つの数字はそれぞれ現在の深セン市、広州市、上海市における最も高額な高層ビルの投資額である。データによると、現在、中国で既存或いは建設中の152メートル以上の超高層ビルの投資総額は1兆7000億元である。将来、世界超高層ビルトップ10のうち、7棟が中国の超高層ビルになる日が来る可能性もある。18日付中国証券報が伝えた。

 ◆バブル傾向、徐々に明らかに

 「中国内陸部の超高層ビルの数は既にバブル化の様相を呈している」と、中国最大の超高層ビル都市研究機関である「摩天城市網」は『2012年中国摩天城市(超高層ビル都市)報告』で明確に示している。中国国内の超高層ビルの建設に注目してきた同サイトは初めて、中国の超高層ビル建設ブームに警鐘を鳴らした。現在の中国の超高層ビルに対する投資総額を推計した結果、152メートル以上のオフィス・商業ビルを対象にした場合、国内の既存の超高層ビルと建設が計画されている超高層ビルを合わせると、投資総額は1兆7000億元に上る。

 報告は、中国の超高層ビルの建設において、既にバブル化が進んでいる原因として、「今後の中国の第三次産業の規模が、超高層ビル建設の急速な発展を支えることは困難である」との見方を示している。2011年、中国の第三次産業の総生産額は20兆4983億元で、成長率は9.4%、同年の米国の第三次産業の総生産額の26.8%に相当する。その一方で、中国の超高層ビルの総数は米国の88%に当たる。米国の超高層ビル1棟あたりに対する第三次産業の総生産額は1431億元である一方、中国はわずか436億元である。

 報告によると、地方政府とディベロッパーの超高層ビル建設に対する意欲は依然高まっているという。現在、米国は同時多発テロで破壊された世界貿易センターの跡地に地上541.3メートルの米国一高いビルを再建中だが、中国では10都市がこれを超える高さのビルを建設することを考えている。また、中国内陸部の54の都市が超高層ビルを建設中だが、その中で2011年に第三次産業の国内総生産(GDP)に占める割合が50%を超えたのはわずか11都市に止まっている。その一方、第三次産業がGDPに占める割合が低下したのは17都市。

 ◆超高層ビルブームの助長要因多く

 「超高層ビルの建設ブームは中国の不動産が過熱していることの表れである。一部の都市に関して言えば、超高層ビルを建設する必要がないことははっきりしている」と中国社会科学院金融研究所不動産金融研究センターの汪利娜主任は話す。汪主任は「一部、地方政府の目的に迎合するために、積極的に超高層ビルの開発を進めるディベロッパーもいる。地方政府は往々にして、これらのプロジェクトに対する優遇政策を実施している。これが超高層ビルの建設ブームを引き起こす根本的な原因となっている可能性がある。ディベロッパーの資金圧力を軽減できる政策面での優遇こそ、超高層ビルの開発を助長している」との見方を示した。

 しかし、超高層ビルの建設を支持する声も多い。2011年に完成した高さ441.8メートルの超高層ビル「京基100」を建設した、中国不動産開発業大手の京基集団(Kingkey Group)を羨む不動産関係者は少なくない。知名度が高いとは言えない不動産開発業者は、超高層ビルプロジェクト1つで、国内だけでなく海外にも名を馳せている。住宅をいくら建設しても、その影響力には及ばない。「超高層ビルは経済を促進する効果がある。人口が多く、土地面積が狭い北京市・上海市・広州市・深セン市のような都市では、中国、更には全世界の優秀な企業を受け入れるためには、中心市街地に超高層ビルを建設する方法しかないのである」と話す専門家もいる。



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