2012年4月29日日曜日

■任天堂が赤字転落、スマホに敗北


任天堂が赤字転落、スマホに敗北
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/28/2012042800309.html
2012/04/28 09:48

 「スマートフォン(多機能携帯電話端末)がどれだけ普及しても、ゲーム機が必要だということを証明してみせる」

 任天堂の岩田聡社長は昨年、スマートフォン向けの無料ゲームアプリに押され、業績が悪化しているとの批判を受け「任天堂は違う」と言ってのけた。任天堂は昨年、ゲーム機の値下げ、新型ソフトウエアの投入、経費節減などで総力戦を展開したが、2012年3月期は1962年の上場以来初となる赤字に転落した。世界で初めて発売した眼鏡不要の3Dゲーム機も通用しなかった。


 任天堂が26日発表した2012年3月期連結決算は、営業損益が423億円の赤字だった。売上高は前期比36%減の6476億円で、過去最高だった09年(1兆8386億円)の3分の1に落ち込んだ。わずか3年で天国から地獄へと転落した形だ。

 1889年に京都で花札メーカーとして出発した任天堂は、玩具メーカーを経て、1980年代に家庭用ゲーム機に参入。ニンテンドーDSシリーズ、バーチャルゲーム機の「ニンテンドーWii」など革新的な製品をはじめ、ポケットモンスター、スーパーマリオなど、世界の子供たちをとりこにするキャラクターを誕生させ、世界市場を席巻した。06年の「Wii」など新製品が連続してヒットし、09年には過去最高の業績を記録。最も革新的な企業と称えられ、年間2000億-5500億円の営業利益を上げる日本の代表的企業となった。

 危機は成功の絶頂期に前触れもなく押し寄せた。成功に酔っている間、スマートフォンというライバルが登場し、それに対応することができなかった。任天堂がゲーム機販売に熱中する間、スマートフォンやタブレット端末向けの無料ゲームが大量に登場し、フェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じたゲームも普及した。「ゲームの法則」が180度変わった後になって、任天堂は慌てた。任天堂は昨年、ゲーム機の販売をてこ入れするため、40%の値上げに踏み切ったが、むしろゲーム機を売れば売るほど赤字が膨らむという構造を生み、誤った判断だったと評されている。任天堂は海外販売の90%を欧米など先進国が占め、急成長するアジア市場への対応でも出遅れた。

 任天堂は今年2月、インターネットを通じたゲーム販売を研究する組織をつくったほか、アジア事業チームを発足させるなど、事業再編に着手した。危機打開に向けては、ゲーム機の販売を縮小し、ソフトウエアを他社の機種に供給するなど、事業構造を抜本的に変えるべきだとの指摘も一部から出ている。

 任天堂は新製品の「Wii U」を年末に発売し、逆転を狙う戦略だ。Wiiの後継機となるWii Uは、インターネットを利用した音楽鑑賞、カラオケ機能、ソフトウエアのダウンロードなどさまざまな機能を備える見通しだ。岩田社長は「任天堂が再び革新を成し遂げたと世の中に評価される1年にしたい」と述べた。



0 件のコメント:

コメントを投稿