2012年4月29日日曜日

■ハチ公、海を渡る 米映画「HACHI」の舞台 旧駅舎に銅像


ハチ公、海を渡る 米映画「HACHI」の舞台 旧駅舎に銅像
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012042990071503.html
2012年4月29日 07時15分 (東京新聞)

 亡くなった主人を東京・渋谷駅で待ち続けた忠犬ハチ公の銅像が、米国東海岸にあるロードアイランド州ウーンソケット市内に建てられることになった。五月十九日、現地で除幕式があり、忠犬ハチ公銅像維持会副会長の星野浩一さん(74)が出席して地元・渋谷区の友好メッセージも伝える。同会によると、海外にハチ公の銅像ができるのは初めて。 (山内悠記子)

 ウーンソケット市は、三年前にハチ公をモデルに公開された米映画「HACHI 約束の犬」(リチャード・ギア主演)の舞台になった。

 市内には、映画の中で渋谷駅を模し、亡くなった主人を忠犬が待つ架空の駅「ベッドリッジ駅」の舞台になった旧駅舎がある。映画に感動した地元の美術高校の生徒らが、旧駅舎のそばにハチ公像を建てる提案をした。

 在ボストン日本国総領事館によると、新たな銅像は、渋谷駅の「忠犬ハチ公像」(犬の高さ約一メートル)をかたどっており、ほぼ同じ大きさ。米国内の鋳造会社に発注して作った。制作費はすべて米国側が出した。

 総領事館から連絡を受けた渋谷区を通じて、計画を知った現在の二代目ハチ公像の制作者、安藤士(たけし)さん(89)=渋谷区=は銅像の建立を快諾した。

 当日は、日本からワシントンに桜が贈られて百周年を記念し、新しいハチ公像とともに、ワシントンの桜を接ぎ木して育てた苗木も植えられる。ハチ公像と桜は、旧駅舎前のロータリーで、映画の中でハチが飼い主の教授を待っていた場所にお目見えする。

 初代ハチ公像は太平洋戦争中、物資不足のため、素材の銅を転用する目的で撤去された。その初代の作者で、安藤さんの父親の照(てる)さんは渋谷の自宅で山の手空襲の直撃を受け死亡。二代目の像は戦後、渋谷の復興を願う人々によって再建された。ハチ公像は日米の歴史を見つめ続ける。

 安藤さんは「世界的に世知辛い世情が広がる中、愛情を掛け、互いに奥深く信頼し続ける美しい心が米国にも届いたことがうれしい」と笑顔。銅像維持会の星野副会長は、地元商店街の立場から、ハチ公像を見詰め続けてきた。「ハチが国際的になり、とてもうれしい。これを機会に、日米と両自治体の友好関係が深まれば」と話している。



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