2012年4月28日土曜日

■OPINION  借金の返済に追われるアメリカの庶民


■OPINION  借金の返済に追われるアメリカの庶民
http://agora-web.jp/archives/1449339.html
2012年04月19日02:00 アゴラ 藤沢 数希

アメリカの失業率はゆるやかに回復してきたとはいえ、未だに8.2%である。株価の回復ほどには、アメリカ人の生活実感は全く回復していないのである。GoogleやAppleなど、アメリカのグローバル企業は確かに強いが、アメリカの庶民の生活はそれほど潤ってはいない。そういった不満は最近のウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)デモで端的に現れている。今後もアメリカ人の生活はしばらくガマンが続くだろう。なぜならば、まだアメリカ人は借金漬けで、その返済にしばらくは追われるだろうからだ。

アメリカ人の借金好きは有名だ。平均するとひとり5枚のクレジットカードを持っている国民だ。4人家族でクレジットカード20枚。筆者も含めて、日本人の多くはAmazonなどの通販を利用したり、メルマガを買ったりと、電子決済の手段としてクレジットカードを使っている。だから毎回一括払いだし、一括払い以外はカード会社を儲けさせるだけで何の得にもならない。しかしアメリカ人はクレジットカードをその文字通りの意味で使っているのだ。すなわち、今金がないけど、来月には金が入るから、今借金してモノやサービスを買おう、という意味で使っているのだ。これがアメリカ人の発想なのである。そして、住宅バブルがはじける2008年頃まで、アメリカ人は住宅ローン(mortgage) を組んでばんばん家を買っていたのだ。

このようにアメリカの家計は借金を膨らませ続け、2008年のピークには12兆ドルに達していた。これは一人当たり約500万円で、一家4人で2000万円だ。バブルがはじけて、アメリカ人が借金して買った住宅などの価値は暴落し、借金だけがそのまま残った。2008年のバブル崩壊から現在まで、こうしてアメリカ人は借金の返済に追われている。上の図では一世帯当たりの借金額を世帯収入で割ったものがプロットされているが、これがバブル前の健全な数値まで回帰していく、つまり身の丈にあった借金の額にするためには、まだ、数年を費やすだろう。つまり、アメリカ人は収入をまだまだ消費ではなく、借金の返済に当てなければいけないのだ。それゆえに、アメリカの生活実感として景気回復が感じられるのはまだ先になろう。

日本も1990年代初頭に、巨大な土地バブルが崩壊し、土地を担保に膨大な資金を貸し出していた日本の銀行は、不良債権に苦しみ続けた。日本の銀行のバランスシートは劣化し、企業や個人に貸し出す余力がなくなった。銀行の不良債権問題は、金融システム全体の足枷となり、日本に失われた10年をもたらした。

アメリカの巨大なバブルの崩壊は、金融機関の不良債権のみならず、個人のバランスシートを大きく痛めることになった。つまり個人のバランスシートの右側には依然として身の丈に合わない借金があるにもかかわらず、左側の住宅などの価値が暴落してしまったのだ。日本の銀行の不良債権が失われた10年を導いたように、アメリカ人の借金がアメリカ経済の10年を失わせるかもしれない。






■テクノロジーが貯蓄の妨げに~米消費者、新技術出るたびに出費 
http://www.usfl.com/Daily/News/12/04/0426_028.asp?id=95295
2012年04月26日 19:00米国東部時間  Fax Express

 テクノロジーは人間の生活を楽にすると考えられているが、便利な製品や技術が次々に登場することで米国人をますます貯蓄の習慣から遠ざけていることが、ハリス・インタラクティブの調査で分かった。

 USAトゥデーによると「最新のディバイスやツールによってお金をためるのが楽になった」という人はわずか3%だったのに対し、56%以上は「テクノロジーによってますますお金が出て行くようになった」と答えた。調査は米公認会計士協会(AICPA)の委託を受けたハリスが、米成人1000人以上を対象に行った。

 米国人は、ケーブルテレビ、インターネット接続、携帯電話、新聞・雑誌の電子版購読などデジタルサービスに月々平均166ドルを投じているほか、楽曲やアプリケーションといったメディアのダウンロードにも38ドルを使っている。

 回答者の約41%は、デジタル・ダウンロードやサービスを利用しており、全米CPA財政能力向上委員会のジョルダン・アミン会長は「スマートフォンやタブレットの普及でこれらの購入・利用は一層簡単になった」と指摘した。

 アミン氏は、デジタル・コストを減らしたい消費者へのアドバイスとして、予算を組む、ダウンロード専用の口座を作る、定期的にサービスをチェックして続ける価値があるかどうか見直す…の3点を挙げている。




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