2012年4月29日日曜日

■資金減に苦しむ金正恩氏、労働者の海外派遣推進か


資金減に苦しむ金正恩氏、労働者の海外派遣推進か
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/27/2012042700413.html
2012/04/27 08:08

今年に入って1万人
現在40カ国に3万人以上を派遣
 
 朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は最近「1人や2人脱北しても構わない。外貨稼ぎのために労働者をできるだけ多く派遣せよ」と指示していたことが、25日までに分かった。これまで北朝鮮は、外部から情報などが流入するのを恐れ、労働者の海外派遣を最低限に維持してきたが、今回の金正恩氏の指示は、このような方針とは大きく異なるものだ。

 北朝鮮の内部事情に詳しい韓国政府筋はこの日「北朝鮮は現在、世界40カ国以上に3万人以上の労働者を派遣しているが、金正恩氏の指示により、今年だけで1万人を新たに派遣する計画を取りまとめた。韓国や国際社会からの厳しい制裁で資金源が不足しているからだ」と語った。

 北朝鮮が海外で働く労働者から回収する外貨は年間1億ドル(約810億円)を上回る。上記の政府筋は「労働者の給与は派遣される国や仕事内容によって異なるが、通常は200ドル(約1万6200円)から1000ドル(8万1000円)ほどだ。そのうち労働者本人が手にするのは10%から20%ほどで、残りの80-90%は忠誠資金、税金、保険料、食費や宿泊費などの名目で朝鮮労働党39号室に送金されている」と語った。

 39号室は金正恩氏の統治資金を管理する部署で、傘下には17の海外支部、100社以上の貿易会社を置き、さまざまな手段で外貨稼ぎを行っている。故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の時代は、39号室が稼いだ外貨の内訳は▲派遣労働者からの送金1億ドル▲武器輸出・偽造紙幣の流通・麻薬密売による収入が1億ドルから2億ドル(約1620億円)▲南北経済協力による収益1億ドルなどで、年間3億ドル(約243億円)から4億ドル(約324億円)に達していた。

 ところが2008年7月に金剛山で韓国人観光客が射殺害される事件が発生し、その影響で年間5000万ドル(約40億5100万円)を稼いでいた金剛山観光事業が中断した。また、09年の長距離ミサイル発射と2回目の核実験に伴う国際社会からの経済制裁で武器輸出が打撃を受け、その後10年3月に韓国海軍哨戒艦「天安」の爆沈を受けた韓国政府による5・24制裁で、開城工業団地を除く南北経済協力が全面的に中断され、39号室の年間収入は2億ドル前後にまで落ち込んだという。

 別の外交筋は「政権を握った金正恩氏としては、側近にプレゼントを与え、パーティーも行いたいと考えているが、資金事情の悪化で頭を痛めているはずだ。今のところ39号室が収入を増やす手段は労働者からの送金に頼るしかないため、派遣する労働者を可能な限り増やそうとしているのだろう」と述べた。今後、予定通り1万人の労働者が新たに海外に派遣された場合、金正恩氏の統治資金はおよそ3000万ドル(約24億3000万円)ほど増加する見通しだ。




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