2012年4月29日日曜日

■K-POP、韓国特有の文化でない…大衆文化の国際化


K-POP、韓国特有の文化でない…大衆文化の国際化
http://japanese.joins.com/article/900/150900.html?servcode=400&sectcode=400
2012年04月23日14時35分 [ⓒ 中央日報]

ギ・ソルマン仏パリ政治大学教授が20日、朝鮮ホテルで南楨鎬(ナム・ジョンホ)巡回特派員に会い、韓流と韓国の文化政策について話している。

  フランスの著名な文明批評家のギ・ソルマン仏パリ政治大学教授。 知韓派のソルマン教授が韓流と韓国の文化政策について率直に語った。 ソルマン氏は「韓流を発展させるためには政府と企業が協力して、韓国の文化広報政策に積極的に取り組む必要があるが、こうした努力が見られない」と述べた。 また、芸術家に対する支援が少ない点も指摘した。 ソルマン氏は「韓国的な特性が生きた韓流になるには、芸術家が中心にならなければならない」とし「にもかかわらず、韓国政府と公共分野の芸術家への支援は非常に少ない」と叱責した。 世界経済研究院(理事長、司空壱)主催の「文化と韓国経済、そして韓流」セミナーに出席するために訪韓したソルマン氏に20日、ソウルのホテルで会った。

  --韓流をどう見ているか。

  「韓流は韓国特有の文化には見えない。 むしろグローバルな文化現象と認識するのが正しい。 なぜなら外国の若者がK-POPを好むのは、独特な韓国文化が込められているからではない。 ただ、よく似た大衆音楽のうち、韓国アイドルグループの歌が気に入ったということにすぎない。 大衆文化の国際化は今では普遍的な現象になり、韓国のアイドルだけでなく、フランス、ドイツのポップグループも世界的に愛されている。 韓流が、韓国的な独特なものではなく、世界で通用する普遍性のおかげで、多くの国で受け入れられているのだ。 このため韓流の生命は意外と短いかもしれない。 韓流だけの特別な個性がないため、突然、中国や豪州などの波に入れ代わる可能性もある」

  --では韓流をどう変えなければならないのか。

  「韓流を持続させるには、韓国特有の要素がなければならない。 抽象的な話だが、韓国の芸術家が今後どんな作品を作り出すかによって、韓流が続くかどうかは決まるだろう」

  --韓国の国家イメージはどうか。

  「韓国があまりにも多くのイメージを強調するため、混乱を招いているようだ。 フランスの場合、エッフェル塔(La tour Eiffel)を唯一の国家的ロゴに使う。 しかし韓国の空港に降りると、‘ダイナミックコリア’という標語もあり、‘静かな朝の国’という言葉も目に入る。 さらに‘ハイソウル’もある。 こうなれば混乱が生じて、何が何だか分からない。 お互い矛盾する選択ならむしろないほうがましだ」

  --なぜこうなったのか。

  「韓国がいろいろなイメージを標ぼうするのは、変化が速い社会という特性に起因しているようだ。 韓国の文化は依然として長い間の伝統に深く根を下ろしている。 一方で国際的な感覚に目覚めた、新しくて現代的な韓国も存在する。 こうしたアイデンティティーの混とんがお互い相反するイメージを一度に標ぼうする矛盾として表れている。 マーケティングに成功するには、一つのアイデンティティーを選択する必要がある」

  --では何が良いのか。

  「静かな朝の国というのは‘インドの詩聖’と呼ばれるタゴールの詩から出てきた。 金大中(キム・デジュン)大統領は韓国に対するこうした認識を正しいとは考えていなかった。 その代わりに出てきたのが‘ダイナミックコリア’だった。 しかし私は金大統領に『それは適切でない』と何度も話した。 最近は誰もがみんな積極的で活動的なので、ダイナミックコリアというのは大きなアピールにならない。 個人的には安全な韓国、すなわち‘セーフコリア’がよいのではと思う。 北朝鮮が隣にあるが(笑)、韓国が民主化し、より安定的になったというプラスの印象を与えることができる。 しかし韓国政府が国家の象徴的なアイデンティティーを新しく決めようとするのなら、専門家の支援を受けることを勧めたい。 専門的なマーケティングも広報会社が科学的な技法を動員し、サムスンや現代(ヒョンデ)のためにするように、韓国に最もふさわしいロゴや標語を選んでくれるだろう。 韓国の大統領には何度もこれを助言している」

--国家ブランドを発展させるのに成功したケースを紹介してほしい。

  「国家イメージを最もうまく管理してきた国は日本だ。 第2次世界大戦直後の日本のイメージは良くなかった。 しかし日本は1964年の東京オリンピック(五輪)をきっかけにイメージを変えるために努力した。 日本政府はマーケティング会社を雇用して、イメージ向上政策を始めた。 今の日本は芸術分野でリードする国という認識が広まっているが、これはマーケティングの勝利だ。 特に日本政府は『日本国際交流基金(Japan Foundation)』という機構を設立し、各国で自国の文化と生活様式を紹介するのに成功した。 中国も同じ戦略で各国に『孔子学院』を設立している。 しかし中国という国のアイデンティティーと広報する文化の性格がお互い異なるため、まだ大きな成果は出せていない。 韓国も『韓国国際交流財団(Korea Foundation)』があるが、まだ組織が大きくないうえ、学術と研究分野に集中している感じだ」

  --サムスン・現代など韓国の大企業が外国で国籍を明らかせず、韓国のイメージ向上に結びついていないという批判がある。

  「世界市場ではその間、韓国のイメージが良くなかった。 それで企業としては極めて合理的な選択だった。 しかし今は話が違う。 韓国のイメージが急速に良くなったことで、韓国製(Made in Korea)であることを明らかにするのが役立つ時期が到来している。 20年前には韓国製の携帯電話と聞けば誰も買おうとしなかったが、今は完全に状況が変わった。 自動車分野も同じだ。 今後、韓国産の自動車は米国・日本車だけと競争するのではない。 中国車とも競争することになる。 この場合、韓国産と宣伝するのが役立つこともある」

  --国家イメージを高めるには、芸術家に対する政府の支援が必須だという話をしたが、韓国の場合はどうか。

  「韓国政府の芸術への支援に大きく失望したことがある。 昨年ニューヨークのグッゲンハイム美術館で李禹煥(イ・ウファン)氏の個人個が開かれた。 韓国政府、企業ともに自らを広報する絶好のチャンスだった。 ところが何もなかった。 韓国政府と企業はあまりにも多くの機会を逃している。 韓国映画も同じだ。 フランスでも韓国映画は人気がある。 しかしこれを利用した広報はないようだ」

  --フランスの観客は韓国映画をどう見ているのか。

  「韓国映画に暴力性が多いという点に驚く。 フランス人はこういう暴力性を見慣れていない。 しかし暴力のための暴力ではなく、合理的な理由がある暴力という点のため、受け入れられているようだ」

  --韓国の文化政策について助言してほしい。

  「個人的に厳しい忠告を一つしたい。 ソウルにはアジア最高の国立中央博物館があるが、ほとんど知られていない。 きちんと広報されていないため、学生が行く程度だ。 なぜ海外の博物館と交流をせず、所蔵品も外国に展示しないのか。 税金を浪費し、韓国の文化を世界に知らせる機会を逃している」

  --韓国の芸術を共通する特徴は何か。

  「シンプルな美学だと考える。 博物館に保管されている白磁大壺や李禹煥の作品からは、信じがたいほどのシンプルな美しさを感じる。 材料の単純さ、表現の単純さ、ともに非常に印象的だ。 これ以上のものはないほどだ。 過去に貧しかったためなのかは分からないが、韓国の芸術はシンプルな美しさを持っている」



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