中国のゼラチンは革靴製、そして業者は大儲け
http://media.yucasee.jp/posts/index/11010/2
2012年04月28日
中国・公安当局は薬用カプセルの中から安全基準を大きく超えるクロムが検出されたとして、関係者9人を逮捕、45人を拘留し、問題のカプセル7700万粒あまりを押収したと発表した。カプセルには、古くなった革靴などから作られた工業用のゼラチンが使われていたのだ。クロムを長い間、摂り続けると、臓器障害などを引き起こす可能性があり、中国では人々の間に大きな波紋が広がっている。
「ヨーグルトやゼリーは二度と食べない方がいい」
事件の始まりは、中国中央テレビの司会者のつぶやきだった。「調査記者から、メールを受け取った。固形のヨーグルトやゼリーは二度と食べない方が良い。特に子供は。詳しくは恐ろしすぎて、ここでは話さない」とのネット上のつぶやきは瞬く間に広がり、革製品から作られた工業用ゼラチンが食品に使われているのではないかとの憶測が広まった。
はじめは噂に過ぎなかったゼラチン騒ぎだが、続く中国メディアの報道で、工業用ゼラチンが、薬用のカプセルにわれている事実が明らかになり、逮捕者が9人出る事件へと発展した。
そもそも、食用のゼラチンは動物の皮や骨に含まれているコラーゲンを抽出して作られる。ところが、問題のゼラチンは破棄された革製品が原材料だった。
中国メディアの報道によると、食用ゼラチンを1トン生産するのに、材料費は、2.4万元(約30万7000円)程かかるが、革製品からゼラチンを作れば、わずか6000元(約7万7000円)と、本来の4分の1の値段で済む。一般に、食用ゼラチンが1トンあたり3万元(約38万4000円)に対し、工業用ゼラチンは2.8万元(約35万9000円)で売られていたというから、製造業者は、問題のゼラチンで、大儲けしていたわけだ。やはり。
食べ物事情は富豪の海外移住にも影響か
薬以外にも、ゼラチン加工後の革製品は、乾燥させ、化学肥料や鳥の飼料として使われているとの報道も。こうした飼料の中には、もちろんクロムなど多くの有害物質が含まれていると考えられる。
その飼料を食べた鳥が、食卓に上っているとしたら、恐ろしい話だ。また、小籠包にも工業用のゼラチンが使われているとネット上で噂が広まるなど、ゼラチン騒ぎはしばらく収まりそうにない。
中国では、過去数年にわたって、こうした毒入り食品事件が多発している。08年には、有毒物質メラミンが混入した粉ミルクによって、30万人以上の乳児が腎臓結石など、健康被害を受けて大きな社会問題となった。この他にも、肉まんから、基準値以上のアルミニウムが検出されたり、地下道の汚水から作られた「リサイクル食用油」が摘出されたりと、悪質な事件が後を絶たない。
中国富豪の中には、安全な環境を求めて海外に移り住む人が激増しているが、こうした食の問題も大きな原因となっているに違いないだろう。
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