2012年9月15日土曜日

■県内観光にも「尖閣」の影 業界は影響長期化を懸念


県内観光にも「尖閣」の影 業界は影響長期化を懸念 長野
http://www.shinmai.co.jp/news/20120915/KT120914BSI090014000.php
09月15日(土)

 日本政府による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化に中国が反発、日中間の緊張が高まる中、観光面への影響が県内にも及び始めた。松本市のホテルでは中国からの団体ツアーがキャンセルされたほか、学習旅行誘致のために県観光部などが招き、24日から県内を視察する予定だった北京市の高校長ら10人も14日、訪日中止を県側に伝えてきた。県内関係者からは影響の長期化を懸念する声が上がっている。

 松本東急イン(松本市)では、16日と23日に予定が入っていた中国からの団体ツアー2組、計約50人の宿泊がキャンセルになった。13日夜に日本の手配会社から「尖閣問題で日中関係が良くないため、ツアーが中止になった」と連絡があった。今月は他に中国から二つの団体ツアーの予約が入っているが、ホテルの降幡完人管理支配人は「楽観視はできない」と話す。

 北京市の高校長らは、国と地方が連携して訪日促進のために行っている招待事業の一環で来日する予定だったが、中国の旅行会社から14日、県観光部に中止の連絡があった。理由は明確にしていなかったという。

 影響が広がる中、県観光部と信州・県観光協会は14日、中国・北京市内のホテルで、スキーなど冬季の信州観光を売り込む説明・商談会を開いた。北安曇郡小谷村や同郡白馬村、北佐久郡軽井沢町などの観光事業者や自治体職員ら22人が各スキー場の魅力などをPR。中国側からは旅行会社など12社の計20人が参加し、予定通り意見交換などを行った。

 県観光部の担当者は「現在の状況では想定以上の人数」と受け止める。15日は中国のスキー愛好家クラブの代表らと懇談する予定だ。

 県観光部のまとめによると、2011年に観光などで県内に宿泊した中国人は延べ1万2301人。東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を受け、過去最多だった前年の約4割に落ち込んだ。いまだに震災前の水準に戻らない観光地も多く、同部は「中国人観光客が多く訪れる来年の春節(旧正月)までには影響が収まってほしい」(国際観光推進室)としている。



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